株本を読んでお勉強のコーナー
こちらのコーナーでは私が株本を読んで、新しく仕入れた知識の引用や、読んで考えたことなどをごっちゃにして書いていきます。最初のうちは覚えることだらけなので、一冊ごとの記述も多くなると思います。基本的にはあくまでも自分の復習用で、人に読んでいただくための文章としては書いていません。 選書にあたっては、「株式書籍案内」やアマゾンのレビューなどを参考にすることが多いです。 2014/1/11(土) 43冊目・44冊目 梅原大吾著 出版社:小学館(@2012年4月刊、A2013年10月刊) ●常勝を妨げる壁のひとつにゲーム(相場つき・銘柄)との相性の問題がある。強さをキープするためには様々な要素(総合力)を兼ね備えておかねばならない。そこを自覚しない限り、いつまで経っても偶然に身を任せることになるので、結果「あのゲーム(相場つき)だけは強いけれど……」という過去の人になってしまう。 42冊目『相場道 小説・本間宗久』 出版社:日本経済新聞出版社(2010年9月刊) 作業をすっかりさぼっていたため、1年半ぶりの更新になってしまいました。 まとめ 2012/5/4(土) 41冊目『外国為替・FXのしくみ』 出版社:PHP出版社(2009年6月刊) 評価;★★★ こないだの日経新聞によると、今の日本株の売買代金のうち7割を外国人投資家が占めているのだとか。こうなると、為替が相場に与える影響は非常に大きくなっていると考えられます。とりあえず為替の入門書を手にとって見ました。FXをやるつもりはないので、ざっくり読んだだけです。 ●
外国為替市場(東京・ロンドン・ニューヨークが世界三大市場) 6〜7時にシドニー勢が参戦。 8〜9時に日本勢が参戦。それからアジア勢が参戦。 14〜15時に中東、スイス、フランクフルト、パリなど。 17〜18時ロンドンスタート。 深夜、ニューヨーク。 ●
ペッグ制とは、米ドルなどのある通貨に対して、為替レートを決めているシステム。ずれた分は中央銀行や政府が市場介入して調整する。通貨バスケット制は複数の通貨と自国通貨ペッグするので安定性が高い。 ●
中国が変動為替相場制を採用しないのは、輸出産業保護のため元安をキープしたいから。 ●
ドル円を買う(ロング)といえば、ドル買い円売り →1ドルを100円で買ったのが、101円になると儲かる=円安ドル高になると儲かる) ドル円を売る(ショート)といえば、ドル売り円買い。 →1ドルを100円で売ったのが、1ドルを99円で買い戻せたら儲かる。 高くなると思われる通貨を買うのが基本。安くなると思われる通貨は売られる。 ●
ドルは戦費がかさんだり、リーマンショックの損失の償却を行う必要が発生したために、暴落した。 ●
通常為替レートといえば、直物のことをさす。 ●
大きな流れには逆らわないこと。 ●
国力が弱まると判断されたら、その国の通貨は売られる。 ●
物価上昇力の高い国の通貨は安くなり、低い国の通貨は高くなる。アメリカのみでインフレが進み、1ドル(100円)で買えたものが、2ドル(100円)になったら、相対的にはドル安円高が起きているということ。 ●
貿易黒字国=輸出好調=受け取った外貨を売って自国通貨を買うことになるので、自国通貨高に傾く。黒字国は通貨高。赤字国は通貨安。 ●
金利の高い通貨は買われ、金利の低い通貨は売られる。 ●
ただし、実際はかく乱要因が多く、そう簡単には理屈通りに動かない。 ●
連休などで市場が動かないときは、参加者が少ないのをいいことに、資金をぶちこんで相場を動かそうとする者が現れ、相場は大きく乱高下することがある。連休前後は相場を休んだほうが安全。 2012/5/2(木) 40冊目『会社四季報 業界地図2012』 出版社:東洋経済新報社(2011年9月刊) 評価;★★★★★ ファンダで株をやるのならば、必携の書だと感じました。セクターごとの来期の見通し。同じセクターにどんな会社があるか。それぞれの会社ごとの強みは? などのつながりをざっくりとでも抑えておくことは重用なことだと思います。読み物としても楽しい一冊。 39冊目『経済指標はこう読む わかる・使える45項』 出版社:平凡社(2006年9月刊) 評価;★★★★ とても勉強になりました。これからは株本以外の本も読んでいこうと思います。 ●
GDP=国内で生産された財・サービスの合計。GDPの変化率が国の経済成長率。理論上、需要(支出)、供給(生産)、収入(所得)の三つの側面からとらえることができる。 ●
日本経済はこれまで13回の景気循環を経験しています。そして、これまでの景気の拡大期の平均は約33ヶ月、後退期の平均は約17ヶ月となっています。つまり、これまでの日本経済は、平均して2〜3年景気が回復して、1〜2年景気が悪化するというような循環を形成してきた。 ●
DI=景気が回復しているのか後退しているのかを判断し、景気の山や谷といった転換点を把握する。一致DIが基調的に50%より上にあれば、景気は拡大、逆に下にあれば後退していると読める。 CI=景気がどれぐらいの強さで回復や後退をしているのかをとらえる。一致CIが上昇している時には景気の拡大局面、低下している時が後退局面と読める。 双方ともに、景気に先行して動く「先行指数」、景気の現状を占めず「一致指数」、景気に送れて動く「遅行指数」がある。 ●
名目GDPのうち50%以上を家計の消費を示す民間最終消費支出が占める。実質所得可処分所得が増えると基本的には消費も増える。天候要因も影響を与える。猛暑や厳冬などでは消費が増える。 ●
自動車の売れ行きも消費者の懐具合を見る上では重要。一般的なのは「新車新規登録・届出台数」。 ●
住宅投資がGDP全体に占めるウェイトは車と同じく4%ほど。しかし、住宅投資は、@関連産業の裾野が広く、生産誘発効果が大きいA政策の変更等で変動が大きくなるB住宅の購入に伴って家具、電気製品などの消費も増加する、ことなどから景気への影響は意外に大きく、景気の動きを見る上では重要な項目となる。 一般的な指標は「新設住宅着工統計」。 ●
企業の設備投資を示す「民間企業設備」はGDP全体の15%。設備投資が景気拡大局面には拡大傾向を示す。 ●
「機械受注統計調査」は、公表される時期も早く、設備投資に対する先行性が高いため有用な指標とされている。毎月の振れが大きいので移動平均線で見るのが良い。 ●
「輸出数量指数」はこれまでの多くの局面で景気の山・谷とほぼ同じ動きをし、過去の鉱工業生産指数おの動きを比べても同じ方向により大きなふり幅で動く関係があります。 ●
わが国では政府部門が大幅な財政赤字により資金需要が高い一方で、それを上回る民間部門の貯蓄超過による資金の供給があり、国内全体では貯蓄超過、すなわち金余りの状態が続いてきました、そして、こうした潤沢な国内の貯蓄が国債の購入に使われたことから国債の利回りである長期金利が低位安定してきたのです。 ●
輸出超過の場合は外国からもらうドルが増えるので円高ドル安。逆に輸入超過の場合は支払うドルが増えることから外国為替市場はドルが不足し、円安ドル高要因となります。したがって米国のように輸入が輸出を上回っているような経済では自国通貨安になりやすい。 ●
鉱工業指数は、国内における鉱工業製品の生産・出荷・在庫の動向に関する指標で速報性も高く、専門家も重要視する指標。GDPと同じ方向に動く傾向あり。 ●
在庫率の上昇と景気の後退がリンクしている傾向あり。 ●
日銀短観は、客観的には調査ができない企業のマインドや「期待」を調査したもの。「業況判断DI」がプラスなら今後の見通しは明るく、マイナスなら暗く見ている。海外投資家の動向や金融市場にも影響を与える。 ●
日本の完全失業率は、他国と比べるとそれほど景気に敏感には反応しない。景気が悪くなってもリストラがあまり行われない「社内失業」が多い風土から。 ●
景気後退局面では消費者物価や企業物価指数が下がっていく。 ●
地価が上がると、企業の持つ担保価値が増え設備投資動向に影響を与える。経済全体にとっても重要な意味合いを持っている。「地価公示」などが関連指標。 ●
「マネーサプライ」は金融部門と経済全体の間の金融資産・負債の量を集計したもの。 これは日銀が民間に供給するお金。「マネーサプライ」が一般的に注目されている。市中に出回るお金が減ると金利が上昇。逆に増えると金利が低下。 「マネタリーベース」は中央銀行と金融部門を含む経済全体の間の金融資産・負債の量を集計したもの。(金融緩和度を示す) 日銀の当座預金とは、民間の金融機関が準備預金制度という仕組みによって預金総額の一定割合を日銀に無利子で預け入れたものであり、金融機関が自由に使える無利子の手元資金となる。各金融機関が制度上預けるべき金額を超えて、当座預金が増えれば、金融機関にとっては利益を生まない資産が増えることから、当座預金を取り崩して支出などのリスクをとった運用を増やそうとするので、経済全体に回る資金量が増える。具体的には景気拡大時には過熱を防ぐために当座預金残高の操作目標を引き下げ、それにともなって「マネタリーベース」の残高や伸び率も減少する。景気後退時は逆となる。 預金準備率が上がると、他の銀行から集まった資金を金融機関Aは無利子で借りられることになり、投資活動が促進される。 ● 短期金利の指標としては日銀が操作目標としている「無担保コール翌日物」が、長期金利としては日本相互証券が代表的な商品として取り扱っている「新発10年国債流通利回り」が注目される。 前者は銀行間のちょっと借りに使われる金利。金融市場の安定度を示す。政策金利としての性格あり。「無担保コール物」を操作すれば、銀行の貸付金利や預金金利の領域にまで間接的に影響がおよぶ。景気が悪くなれば低金利への誘導が行われる。 金利と債権価格は、金利が下がれば債権価格は上がり、金利が上がれば債権価格は下がるという関係にある。1%の時にかった債権と2%の金利のときに買った債権では、前者の債権の価値は下がるから、債権価格も下がるという理屈。 ●
円高→景気悪化→借り手がいないので金利の下落要因→企業が金が借りやすくなるので、景気がよくなる。(景気は循環する) ●
円安→景気拡大→借りてが多いので金利の上昇要因 ●
海外の金融緩和や、利下げ→円高、日本の債券高→債券に金が流れ株安に。 ●
海外の金融引締や、利上げ→円安、日本の債券安→株に金が流れ株高に。 ただし、日本の株式市場は海外相場に影響を受けるので、一概には言えない。 ●
日経平均は単純平均であり、株価の絶対水準の高い値かさ株の影響を受けやすい。 ● 経常収支の黒字が続くと、次第にそれが対外純資産として蓄積される。この対外純資産は外貨建てなので、外貨安に進めば目減りしてしまうため、あんまり対外純資産を増やしたくないので、それを売ると、円高に進んでいく。逆に対外純資産が減れば円安要因となる。 38冊目『株価チャートと板情報の読み方練習帳』 出版社:明日香出版社(2010年9月刊) 評価;★★★★ 冒頭は初心者向けの本ぽかったんですが、五分足を利用した売り買いのポイントが、いくつも非常に具体的に紹介されていて良かった。いままでに読んだチャート解説本の中では一番わかりやすかったかも知れない。 五分足チャートはそこに参加している人たちの売買の考え方の相違で決まっているのであり、バカにはできないという言葉には納得。 チャートが上を向いていると感じたときには、それに応じた売買を果敢に行っていくことが大事。買いオンリーで行くにしても、売り方の目線を持っておくのはとても大切だと感じました。図書館で借りた本なんだけど、自分で買って持っておこうと思っています。 ●
デイトレをやるのなら五分足のチャートを見よう。 ●
とてつもないサイズの売り板が出てきた場合は、カラ売りか集めたいかで「売り崩し」を狙っている可能性が高い。 「買い」 ●
長い下ヒゲの出現を「この銘柄を売り込むことはむずかしい」と解釈することもできる。 ●
小さな陰線が二本続いたあとで、大陽線が出れば買い優勢で上値追いになる可能性が高い。 ●
陰線が小さな陽線をはらめば上げる可能性が高い。 ●
朝一番の弱さを打ち消すような包み陽線が出たら買い。 ●
持ち合いの後での急伸は買い。 ●
四連続陽線が出たら強い。3つの赤三兵も強い。大陽線は、リカク売りなどが出てきて、持合相場になりやすい。しかし、小さな陽線が続くというのは、一気に上げずにそこそこの売りをこなしながら結果的にじわりじわりと上げていくので、利益確定の売りをこなしながら上げているということでもあり、大きな売りがでにくい。少し押したら買いたい人がいるということでもある。 ●
陰線を打ち消す下ヒゲ陽線は強い。 ●
小幅に長く上げていくチャートが理想。 ●
デイトレであれば、「五分足で陰線が出たらいったん逃げ」のスタンスが安全。 ●
持ち合いからの上ばなれを買え。 ●
上値が一定のまま、下値が次第に切りあがっていく「上昇三角形」は上放れしやすい。 ●
三本の押さえ込み陰線から切り返す陽線が出たら強い。 ●
下値で大きな陰線が陽線をはらんだら買い。 「売り」 ●
窓空け後の急落は特に下げ圧力が強いので売り。 ●
大陰線は売り。上ヒゲからのコンボは強い売り。上げを否定する大陰線も売り。 ●
下げの途中で買ってはダメ。売り目線の人たちは売りのシグナルとみて買ってくる。ナンピンを入れるのは明確な反転シグナルが出てから。 ●
当たり前だが、誰も上値を買わなくなったら、下がる可能性が高い。 ●
逆V字になる天井からの下げは売り。 ●
3つの山をつくってからの下げ(三尊天井)は典型的な売りシグナル。三回高値アタックしたのに、上抜けできなかったのなら下がるしかないという考え方。 ●
ダブル天井が支持線を割ったら売り。 ●
上げを否定する小陰線続きは売り。 ●
持ち合いを下抜けしたら売り。 ●
小さな陽線を大きな陰線がはらんだら売り。 ●
迷いのコマ2つは上値を買う人がおらず、弱い。 ●
高値での持ち合いが長くなると、売り有利に。 ●
上ひげが続くと、買い手が弱気になり、売り方有利に。 ●
下値が一定で、上値が切り下がっていく「逆ペナント型」は下放れする可能性が高い。
2012/5/1(火) 37冊目『大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代』 出版社:日本経済新報社(2005年9月刊) 評価;★★★ 良い本なんだけど、いかんせん刊行時期が7年前と古い。ただ、今後は日経の商品市況面もきっちり読んで総合力を高めていきたいなと思いました。 2012/4/23(月) 36冊目『株価チャートの実戦心理学』 出版社:東洋経済新報社(2004年3月刊) 評価;★★★ 毎日チャートを見る訓練はしているのですが、なかなかテクニカルへの苦手が意識が克服できません。しばらくテクニカルの本を集中的に読んでいきたいです。 ●
相場で儲けるための基本は @
大きく上がりそうな銘柄を選ぶ。 A
明日上がる銘柄を今日買う。 B
目標値まで持ち株を維持する。 C
予想が外れたら損切りする。 ●
株価が何回もその水準をテストした後、そこよりも先に行かなくなる」と、「短い時間で大幅に反対へ向かう」可能性がある。何回も試して抜けなかった抵抗線や指示線を抜くと強い(弱い)。 ●
利益の出ている持ち株は、時間がかかっても目標値を達成するまで持っているという意識が必要です。持ち株に利益が出ている状況は買いを決めたときの自分の予想、根拠が当たっている可能性を示しているからです。自分の予想を信じずに中途半端な水準で仕切ってしまいなら、何回も短期売買を繰り返す短期投資で利益を出すことなどできません。いったん手仕舞ってしまった銘柄は仕掛けなおしがむずかしくなります。 ●
底値圏での大陽線は上昇のサイン。 ●
出来高の大きい抵抗帯、支持帯を抜けたら、強い(弱い) ●底値買いは難しい。買いたい人も「もう少し安く買えるのではないか」と様子をうかがっているからである。だから、反発が明瞭になり、彼らが「今買わないと!」という心理状態になるまで待ったほうが得策。 ●上昇トレンドの株は、押し目で仕掛けなおせないのなら、バイアンドホールドで目標値に達するのを待て。 ●
ボックスで動いている銘柄は同じようなサイクル(期間)で高値と安値をとりにいくことが多い。 ●上昇トレンドの押し目は大幅調整よりも小幅調整を狙ったほうが安全。 2012/4/22(日) 35冊目『億を稼ぐトレーダーたち』 出版社:マイルストーンズ(2011年5月刊) 評価;★★ 日本版マーケットの魔術師。商品相場をやっている人が多くとりあげられていて、あんまり株トレーダー向けの本ではなかったかな・・・。 34冊目『株の勝ち方はすべて外国人投資家が教えてくれる』 出版社:日本実業出版社 (2006年5月刊) 評価;★★★★ 中原圭介さんの本を読むのは三冊目。ちょっと絞りカス感があったけど、外人投資家の動向を読む上で参考になる点が多かった。 ●
大きな上昇相場では主力の優良銘柄を狙う。 また上昇トレンドが続く限りは優良銘柄を持ち続けることが大きく儲けるコツ(一回リカクしてしまうと、その後上げていっても入りづらい) ●
逆に下降トレンドでは主力株を買ってはいけない。(大口に売られるから) 下降トレンドは材料株の買いと主力株の売りを組み合わせるのが効率がいい。 ●
以前より高い天井と底が確認し続けられる限りは上昇トレンドは継続する。 ●
上値抵抗線(下値抵抗線)を抜けるということは新しいトレンドがはじまった可能性を示している。 ●
自分でサポートラインを引く練習を。 ●
上昇トレンドに転換してから、値上がり率が10%以内で買うように意識を。 ●
材料株は出来高増やして急騰したところでいったん売り逃げるのが吉。材料株はたいていは理想買いで終わる。資金の逃げ足が早い。 ●
外人は悪材料出尽くしで買ってくる。かれらは「当分これ以上悪い材料は出ないだろう」とか「日本人が安値で大量に売ってくれる」と考えて買ってくる。予想される悪材料を先取りして必要以上に売られるため、売りたい投資家が売りきった時点で折り込み完了となり、相場の需給は改善される。 ●
重要な経済指標や経済イベント 【日本】 ◎ 日銀短観(年四回) ◎
GDP(四半期ごとと通期) ◎
日銀金融政策決定会合(毎月) ○
全国消費者物価指数(毎月) ○ 機械受注統計(毎月) ○
鉱工業生産指数(毎月) △
月例経済報告(毎月) △
完全失業率(毎月) 【アメリカ】 ◎
FOMC(定例会合は年に8回) ◎
GDP(四半期ごとと通期) ◎
地区連銀j経済報告(毎月) ◎
雇用統計(毎月) ○
住宅着工・完工件数(毎月) ○
個人消費支出(毎月) ○
インテル決算(四半期ごとと通期) ●
外国人は銘柄の選別以前に「日本売り」か「日本買い」というマクロな視点で売買してくる。ゆえに日経平均と連動する主力株がターゲットとなる。 ●
外人は来期の成長率の伸びを見てくる。成長率が鈍化すると迅速に売ってくる。 ●
外人投資家は為替によって、売買を大きく左右される。北米勢を例に取ると、円高ドル安で含み益が増え(円建て資産が強くなる)、円安ドル高(円建て資産が弱くなる)煮なると含み損が増える。為替差益を得るため彼らは円安ドル高で株を買い、円高ドル安で売ってくる傾向がある。円高になったらとりあえずリカクという考え方。超円高のときは外国勢にとって日本株は割高。1ドル100円と1ドル10円だったら、前者のほうが同銘柄の株をを10倍の株数を買える。 ●
好材料が出てるのに株価が素直に上がらなくなったら、外人が売り、日本人が買っている状況になっている可能性が高く、天井の可能性が大きい。 ●
下げ相場では、外人はヘッジでなく先物と現物を同時に売ってくる。こうなると暴落相場になる。 ●
原油が高くなりすぎると、世界景気が減速し、原油が安くなりすぎると、相場へのオイルマネーの流入が減る。普通が一番。 ●
中国やアメリカの住宅バブルが減速すると世界景気に大きな悪影響を与えてしまう。 ●
外人の売り越しや買い越しが極端に大きくなってくるとトレンドが大きく動く可能性がある。外人が売りまくっているときに値ごろ感で買いに入るとひどい目にあう。 ●
新興市場は9割近くが個人投資家の売買。極端な動きをする。決算持ち越しは基本しない。 ●
新興市場こそ暴落時に買いを入れるべき。目安は直近高値からの33%〜50%の下落で買う。 ●
業績の良い会社の増資下げは買い。(成長のための増資なので) ●
直近で下方修正が出ている銘柄は買わないほうがいい。 ● 明確な下方トレンドにあるときは、いかなる株もバイアンドホールドすべきではない。 2012/4/21(土)
33冊目『ザ・タートル 投資家たちの士官学校』 出版社:徳間書店 (2009年2月刊) 評価;★★★ 伝説のスーパートレーダー養成学校「タートル」をテーマにしたノンフィクション。読み物としては面白い。 ●プロは、確率的に勝てると思う局面では積極的にリスクをとる。計算されたリスクならば進んでとるのだ。逆に一般投資家は勝てそうな局面では過剰なまでにリスクを減らそうとし、損失が増えそうな場面では大胆にリスクをとる。 ●賭け率(オッズ)の良いトレードだけしていれば、トータルでは勝てる。 ●市場のトレンドをつかもうとする不屈の根性が大事。 ●デニスはとにかく思い切り振った。シングルヒットなんて眼中になかった。常に特大の利益を狙うトレードを貫いた。 ●知能や知識よりも感情をコントロールする能力のほうが重要だ。トレーディングでは、何をすべきかを学ぶこと自体は簡単で、実際に売買することのほうがはるかに難しい。 ●成功するトレーダーは物事を体系化してルールを作ることのできる人間である。市場で利益を上げるために少しでも価値のありそうな考え方は、すべて検証する必要があった。 ●優位性のあるルールを確立し、そのルールを逸脱せずに粛々と実践できるトレーダーが勝てる人。 ●基本は逆張りよりもトレンドフォロー。 ●タートルたちは価格を意思決定に使う。過去4週間(約1ヶ月)と11週(約2ヶ月)の高値ブレイクで買いを、安値ブレイクで売りをしかける。 ●売りから入るという発想を受け入れなければならない。下落相場から利益を得ることを楽しむのだ。利益が得られると思えば迷わず売りを仕掛けろ。 ●相場はいったん動き始めると一気に動くもの。辛抱強く上げ潮相場を待て。 ●ATR(一日のボラ値平均)を使ってリスク計算をせよ。タートルの損切りポイントは買値から2N下がったところに置く。(しかしこれはリスクをとりすぎのような気もする) ●相関性の高い銘柄を2つ買っているのは、同じ銘柄を倍買っているのとあまり変わらない。 ●タートルたちはロングとショートを組み合わせてポートフォリオをつくることが多かった。 ●練習と反省を重ねて、規律が骨の髄まで染み込まないとうまくならない。 ●何か行動を起こすべき時がくるまで何もしないのも鍛錬のひとつ。
32冊目『タートル流 投資の黄金律』 出版社:徳間書店 (2009年11月刊) 評価;★★★★★ リスクのとり方に焦点を当てた一冊。リスクをまったくとらない姿勢は、リスク管理とは言わない、という一文にはチキンすぎた私には衝撃でした。いままでにはない切り口の一冊であり、自分を強化するためには必要な内容だったと感じたので満点評価としました。 ●もしあなたの目標が、小さな利益を少しずつ見上げていく程度なら、あえてリスクを冒す必要はない。しかし、大きな躍進を遂げたいのであれば、リスクと向き合わないわけにはいかない。ゆっくり学ぶことに満足しているならば、たいていのリスクは避けて通れる。迅速に学びたいのなら、失敗を覚悟でリスクに挑むべきだろう。 ●リスク管理とはリスクを避けることだけを意味しない。儲けるためには、危険忌避的な姿勢から身をとき放つことも必要。不確実正とそれに由来するリスクは、トレーディングの根幹をなすものだ。リスクなくしてリターンは見込めない。トレーダーは金を稼ぐ可能性と引き替えにリスクを引き受ける。それがトレーダーの役割だ。その役割をうまく果たす者が財を築く。うまく果たせない者は財を失う。それがこのゲームの神髄なのだ。優秀なトレーダーにとって、リスクとは豊穣な大地へたどりつくための、越えていくべき高い山々のようなものだ。リスクをとらない者は学ぶこともできないし、手柄をたてることもできない。 ●自信は成功の必要条件だが、自信を得るためにはリスクを引き受ける必要がある。 ●リスク管理のルール @恐怖を克服せよ。恐怖の感情をコントロールし必要とあらば、決然と行動せよ。経験に基づいた推測には自信を持て。 A柔軟でありつづけよ。相場は不確実なもの。何が起こっても対応できるように心の訓練を。変化には素早く対応せよ。 B筋の通った(優位性のある)リスクの取り方をせよ。 Cはずれに備えよ。大負けはするな。トータルで勝てばよいのであって、勝ち負けの数は気にするな。 ●上げ相場の末期になって、リターンが最も少なく、リスクがもっとも高い時にこそ、人々は投資に駆り立てられる。こういう人たちは、初めのうち、リスクをとることを恐れて、様子を見ている。これでは儲からない。 ●恐怖を克服するには少しずつリスクを取る練習をして恐怖と向き合う訓練を積むことだ。 しかし、かといって、リスク愛好家になってはいけない。思慮深くリスクをとるタイプのトレーダーを目指すべき。 ●相場全体でも、セクターでも個別銘柄の値動きでも、常にトレンドがどうなっているのかを意識すること。
2012/4/18(水)
31冊目『初めてでも読み解ける経済指標の見方&読み方』 出版社:すばる社 (2010年12月刊) 評価;★★★★ この一冊を読んで、政治や経済のニュース(もちろん相場も)を読み解くには経済指標の理解が不可欠だということがわかりました。手元において辞書代わりに使っていこうと思います。 大事なことが多いので、内容紹介は割愛。
30冊目『株式市場 強者の論理』 出版社:ナツメ社 (2007年7月刊) 評価;★★★★ 金言が結構ざっくりつまった一冊。 ●株式投資の王道は、上昇相場のときにリスクをとってできるだけ利益を膨らませ、ボックストレンドや下降トレンドのときはリスクを抑え損失を広げないように心がけることです。勝てる地合いだけを選んで取引するだけでも、結果は大きく変わってくる。 ●大口がテクニカルを利用して、株価を意図的に下げることで、個人投資家のロスカットを誘う手法が横行しています。少数の大口投資家が大量の売りを出すことによって、意図的に株価をテクニカル的な節目となる位置より下まで動かし、個人投資家のロスカットの売りや見切り売り、狼狽売りを集中的に出させることがあります。 ●上級者はセリクラをうまくつかまえる。キャッシュポジションを高めて暴落を待っている大口も多い。 ●外国証券会社は自らの仕込んだ銘柄の上方レーティングを出し、上がったところで売り抜ける。その後は株価は元に戻ってしまうことも多い。 ●ダメな個人投資家の例。 @リスクをとりすぎる A情報に流される B高値で飛びつき、安値で投げる ●2005年は七割の投資家が儲かっていた。バカでも儲かる相場だった。 ●損失に慣れてしまうと、傷口が広がっていくのにも関わらず痛みを感じなくなってしまう。これは致命傷を負う原因となり、非常に危険な状態。機械的なロスカットを。 ●情報が多すぎてもよくない。銘柄を選んでいるうちに勝つチャンスを逃してしまったり、迷って入る銘柄を決定できなくなる場合も結構ある。 ●プロや大口がいる銘柄、板の厚いほうに値が動きやすい。(大量に売りやすい、買いやすいから) ●損小利大こそが株の極意。 それを実践するためには。 @買い値にこだわる。この株価で買って損をするのであれば仕方ないという株価で買う。 A常に余力をもって売買する。常にストレスを感じない取引を行うことで、心の余裕を保つことは非常に大事。 ●株式にお金が回っているのか、債権や商品に回っているのかをチェックしておくことはトレンドをつかむ上で非常に大事。 ●売買シェア50%を越える外人が買えば株価は上がるし、かれらが売れば下がる。政府や日銀の発表を外人がどう考えるか。個別企業の 経営方針を外人ならばどう見るか、を考えていくことが大切。 ●外人はトレンドを最重視して売り買いしている。上昇トレンドが下降トレンドに転換したら要注意。 上昇トレンドが継続する条件 @下値支持線を割り込まないこと。 A以前の天井が、底として機能していること。 B25日移動平均線、13週移動平均線を割り込まないこと。 ●外人は円安で買いやすく、円高で売りやすい。200円の株がある。1ドル100円なら2ドルで買えるが、1ドル80円なら2、5ドル必要になってしまう。 ●海外は1月から新年度入りし、欧米の年金基金からの新規の流入資金が増える。そのため外人の買いは1月から3月までの期間に多めになりやすい。逆にアメリカの多くの年金基金、投信の決算は10月、ヘッジファンドの決算は11月であり、決算期に向けて利益を確定する動きが強まるため一般的には9月ごろから外人の売りが出やすい傾向がある。 ●暴落相場でのナンピンは地獄行きの切符。 丸大勝負をかけるのは、絶対にわかりすい上昇相場を選ぶこと。下落相場やヨコヨコ相場では絶対にやっちゃだめ。絶大な自信があって 信用を使うにしても維持率60%を切ってはだめ。
2012/4/15(日)
29冊目『外国人投資家が日本株を買う理由』 出版社:日本経済新聞社 (2011年1月刊) 評価;★★★★★ 著者はメリルリンチ日本証券の日本株ストラテジスト。 日本の株式マーケットで強大な影響力を誇る外国人投資家の動向が緻密な文章で説明されている。目からうろこの超良書。今度から政府や日銀の発表があったら、それが構造的に将来の日本の経済成長につながるのか否かを考える癖をつけようと思いました。(否ならば、外人が失望して、相場が下落トレンドに向かうから) ●東証の日本株売買で外国人投資家(以下外人)が占めるシェアは5〜6割。日本株は外人が買わなければ上がらず、外人の需給に依存した状況が続いている。 ●外国人投資家の日本株への関心が低下している。まず第一に、構造的に成長見通しが低い。政府や日銀は長期デフレ、日本企業の国際競争力の低下、巨額の財政赤字、人口減少などの構造問題を解決せずに、国内での格差是正、労働市場の規制強化、郵政民営化の見直しなど内向きの議論に終始してきたなどの問題も大きい。 ●独自性のない日本株は世界景気に対する敏感株。アジア株や中国株が強くなれば、外国人投資家にとって日本株の魅力はうすれる。外人は日本株は世界景気が良くなる見通しが出てきたときに循環的に買えばいいと思っている。世界景気の先行きを判断する経済指標としてはOECD景気先行指標や米国のISM製造業指数がある。また、日本株は米国の10年国際利回りとの相関性がかなり高い。 ●カラ売り専門で、日本株は下げ続ければいいと考えている外国人投資家は少ない。相場の下落局面では証券会社の売買手数料が減るからだ。 ●輸出立国の日本にとって円高はかなりの悪材料と外人は見ている。それなら通貨安である米国やアジア株を買ったほうがいいと考えている。 ●円売り介入や規制緩和で株価が上昇トレンドをつくるのは、外人の「日本政府は何もしない」という懸念が遠のいて彼らに買い意識が生まれるため。 ●外人は時差の存在によって、国内投資家よりも短期の投資情報は入手しにくいため、株価や企業業績の中長期トレンドを重視する傾向がある。 ●大型株で強い値動きをしているところは外人が強いと見ている証拠なので強い。 ●日本経済が衰退しても、日本企業はアジアを中心にグローバル化することができれば生き残れる。外人も長期的にはそういう視線で見ているためグローバル化している企業のほうが評価が高い。 ●政府が経済成長路線を明確に打ち出して実行していかない限り、外人の目は日本株には向かない。政治家は地方住民の意見を反映しなければ、当然がおぼつかなくなるので、政策も経済成長一本に的をしぼったものにはできない。よって、基本的に株式市場の利害関係者、特に外人と日本の政治家の利害は一致しないといえる。 ●たとえば移民政策などが実現すれば、外人の日本株(日本企業の業績見通し)を見る目はすごく良くなる。だが、国民はそれを望まないので、実現は難しい。 ●外人は、成長につながるM&Aを行う企業を評価する。
28冊目『仕手株でしっかり儲ける投資術』 出版社:日本実業出版社 (2005年9月刊) 評価;★★★★ 個人的にはリスク管理の観点から仕手株に手を出すつもりはないのですが、勉強の一環として読みました。 ヨコヨコ株の出来高の推移を普段からチェックしておく、みたいなことは普段の株でも重要だし、仕手株以外にも通用するようなテクニックがたくさん書いてあったので読んだ甲斐はありました。 ●多くの投資家は「上がってほしい」「下がってほしい」と思って売買しているから、なかなか良い結果が出ません。「思う」ことは株式投資においては足かせにしかなりません。「思う」ことをやめて「考える」ことに徹すること。感情を制御し冷静に行動することが株式投資で儲けるためのポイント。 ●仕手戦の成否は、仕手筋が浮動株をどれだけ多く支配できるかで、ほぼ決まります。しかし、たとえ浮動株の大半を支配したとしても、買いあがる段階で予想以上に個人やディーラーの提灯買いが入ってしまうことがあります。そうすると支配している株数が減り株価が思いのままに操れなくなってしまう可能性が高まってしまいます。 そこで仕手筋は、意図的に厚い売り板を出したり、保有株を大量に買い板にぶつけてきたり、空売りしたりと、さまざまな手をつかってふるい落としを試みます。→下がったところを買いなおす。 ●仕手株が動き始めた合図は、出来高の急増をともなう大陽線の出現。逆に長い上髭陰線はいったん(ないし本格的に)終了の合図。出来高が減り、明らかな下降モードに入ったら少なくとも第一弾は完全に終了。 ●仕手株は絶対に初動で乗るべきであり、高値には飛びつかない。(著者の場合は動き始めてから1.3倍以上あがったら買わない) 株価が安いところでこそ積極的にリスクをとりにいくべき。まだ安い時点で仕手株と判断したら、躊躇せずにすぐに買ってみる。前場が小幅高で、後場急騰みたいなパターンを前場でみつけて仕込みたい。逆に寄りから急激にあげているような銘柄には乗らないほうがいい。 ●仕手株にも弱いものと強いものがある。これは仕手筋にも資金量や技術的に強い仕手筋と弱い仕手筋がいるため。 ●仕手株の見つけ方。 不自然な値動きに注目する。 @
上がる材料もないのに少しずつ上昇を続けている。ないし少しずつ出来高が増えている A買い手が玉集めの買い方をしている。 B値上がり率上位に突然、顔を出す。 株価に少しでも不思議な点を感じたらまずは打診買いをしてみる。 ●狙われやすい銘柄。 @
発行株数が少ない。(5000万株以下) A
不動株が50%以下であること。 B
資本金が少ないこと。(100億以下) C
貸借銘柄であること。 D
株価100円から300円台の銘柄であること。 ●相場が大きく上げている日は仕手株で儲けにくい。なぜなら仕手筋が仕掛けてもあまり目立たないので提灯がつきにくいため。 ●心理的に買いづらい板は買いだったりする。 ●浮動株の少ない銘柄は動きやすい。 ●厚い売り板がまとめて食われたら急騰は近い。(仕掛け) すぐには上がらず、日を置いてから急騰することもある。 ●高値圏で出来高が多いうちに売るのが定石。狙って天井で売ることは不可能。欲が深いと利益を逃す。 ●仕手株でのタブー ナンピン買いは禁止。派手に上がったものを追いかけない。2回目の参戦はやってはいけない。空売りはやってはいけない。目一杯相場を張ってはいけない。
27冊目『タートル流投資の魔術』 出版社:徳間書店 2007年10月刊 評価:★★★ システムトレーディングの話は、頭の悪い私には難しかった。 ●取引を長い目で見る癖をつけることはとても重要。成功したければ、目先の損益は無視すること。長期的な展望に立ってものごとを考えろ。 ●どんな戦略で取引していても、必ず負け基調の時期はやってくる。 ●正の期待値を持つ取引の効果を信じ、正しい取引をして生じた損については無視すること。首尾一貫して自分の取引を続けること。 【自分が考えたこと】 相当下がった銘柄を打診買い、すぐに損切るということは底で拾うということを前提にインしたということ。これはよく考えると無理のあるトレード。反発を確認できるまで待つか、二回か三回のナンピンは覚悟して入るべき。 ●トレンドについて。 トレンドをとらえることは非常に大切。市場の値動きが横ばいから上向きに転じるとき買い、下向きの値動きが生じると空売りし、トレンドが終わったとき、つまり上向きか下向きの値動きが横ばいに戻ったら、市場を退出する。トレンドは必ず生まれるものだ。 ●トレンドを確信して入った銘柄であれば、一時的な下げに襲われて利益に逃げられても、じたばたせずにそれに耐えろ。チャートなどで、入ったときの根拠が崩れたら機械的に抜けろ。 ●ドンチアン・チャネル・ブレイクとは、価格が過去20日間の最高値を上抜けしたら買い、過去20日間の最安値を下抜けしたら空売りするというルールだ。 ●丸売りで入るか、買いで入るかを見極めること。その時その時で、買い手と売り手のどちらが勝者なのかを見極めること。
2012/4/12(木) 26冊目『これからパンローリングの投資本を読む人に』 出版社:パンローリング 2011年2月 評価:★★★★★ 初心者が中級者(何とか食べていける水準)に成長するには、どういう心構えや努力が必要になるかを説いた素晴らしい良書。 著者は中級者になるためには、最低でも兼業なら5年、専業でも2年の修行期間が必要と説く。また平均的な中級トレーダーであれば、50冊以上の株本を読んでいるのが一般的という。なんと上級者のなかには1000冊以上を読み倒している猛者もいるんだとか(笑)。努力の大切さが身に染みる一冊。学んだことがきっちりと身につき、頭を使わずとも体が反応してくれるレベルになれるのが理想。 ●株で長期的に勝ち続けるには、「心理」「手法」「資金管理」の三つを自力で構築することが絶対条件。この構築のためには長い時間をかけて、地道に研究や反省を繰り返し続けていくことが必要。 ●中級者以上の人はニュース買いはしない。 ●勝率は重視する必要はない。しかし、「確率」は重視しろ。小さな確率の違いの積み重ねが大きさな差となって表れてくる。 ●初心者は仕掛けた後に頭をつかう。上級者は、仕掛けに注意を払い、出口(リカク、LC)については仕掛けた時点で決めておく。 ●手仕舞いのタイミングこそが重要。時間軸を長くとって、目先の動きに惑わされない腰の強さを見につけることが重要。 ●厳しい相場が続いたら、儲けるよりも「生き残る」ことを最重要目標とせよ。じっと耐えて、わかりやすく儲かる相場を待て。 ●細かい損切りは必要経費。うまい人はあっさりと負けが認められる負け上手。ただし、致命傷だけは絶対に負うな。一取引で負けられる最大損失額は人によっても違うが、総資金の2%以内が目安。一度決めた損切りポイントを動かしてはならない。すべての取引で勝つ必要はまったくない。勝ちと負けを繰り返していき、一定期間後に収支がプラスになっておればよい。 ●一度失敗してしまうと、同じパターンに乗ることが「躊躇」されるようになる。それが、元来の自分の得意パターンであった場合は、この「躊躇」は排除せねばならない。 ●ここで株価が下がってしまったら困る、というのは自分の事情であって、相場の知ったことではない。 ●初心者のうちは、低ロットで売買を繰り返し、技量を上げることに専念したほうがいい。儲けるのはうまくなってから。 ●トレンドには素直に乗り、もみ合いでは様子見をする。
またしばらくさぼってました。 出版社:宝島社 2006年2月 評価:★★ 資産200万からスタートし、一時資産総額を10億に乗せたものの、その後負けまくり「資産大収縮」してしまった著者が絶頂期に書いた株本。ビジネスモデルのいいグロース株に信用をつかったハイレバをかけて長期投資するのが著者のスタイル。ところが、最後には衰退産業にこだわって大負けされてしまったところが皮肉に感じました。億る人のレバの使い方と、リスク管理の重要性を同時に学べました。
出版社:パンローロング 2010年5月 評価:★★★★ 板の読み方に特化した珍しい株本。今のようなアルゴ全盛の時代じゃなければ、凄まじい良書になりえていたはず。でも、個人的にはすごく勉強に成りました。 出版社:洋泉社 2006年6月 評価:★★ 私同様の「並みのトレーダー」へのインタビュー集です。人並みを脱するには人並み以上の努力をするしかないってことがわかりました。
2012/3/30(金) 出版社:パンローロング 2001年8月 評価:★★★★ しばらくさぼってました。「株式編」に負けず劣らず素晴らしいアドバイスのつまった金言集です。 ウイリアム・オニール ●最高のパフォーマンスを上げるには、株をそれぞれの安値付近で買うのではなく、幅広い銘柄を直近の高値(もちろん新高値を含む)をつけたところで買う方が良いということだ。 ●出遅れ株を排除し、先導株を買う方が効率が良い。 ●下げている株はその時点ではダメな株。上げている株はその時点では良い株。ダメな株に固執することは間違いである。 ●市場平均が天井を打つ場合は、次の二つのうちどちらか一方が起こる。平均株価が新高値に達するが出来高を伴わない場合。これはその時点での需要が少なく、急騰相場も崩れやすい。第二は、数日間出来高が急増しているにも関わらず、引け値ベースではほとんど指数が上がらない場合。あとは公定歩合の引き上げにも要注意。 ●損切りは最も重要な技術。 ●高パーでも買い圧力が強い銘柄は買い。低パーでも買い圧力がない銘柄はさわらない。 買う銘柄は絞りに絞ること。上がる確信のない銘柄をいくつもホールドするのはまったくの無意味。 ●機関投資家は低位株にはまず手を出さない。機関投資家が株を持つということは、株価上昇を加速するためには重要な要素。 ●相場や銘柄に対する好みや期待をできる限り排除し、市場の動きを客観的に観察できる目を養うこと。 デビット・ライアン ●出来高が二倍に増え、新高値を更新したら最強の買いのサイン。出来高が少ない場合はだましも多い。 ●株は買った翌日は利益になってないといけない。翌日に利益になっているかどうかが、そのトレードで儲かるための一番の指標だ。 ●上昇してきた銘柄が保ち合いになるときは、出来高が細るはずだ。そして、出来高が再度増加しはじめると、発射準備完了ということが多い。 ●自分のやったひとつひとつのトレードから学ぼうとする人間は、時間とともに進歩していく。 ●価値と勢いを買うこと。 マーティ・シュワルツ ●優れたトレーダーになるための必須の条件が損切り上手になること。手に余るほどの損を決して出さないことだ。もうひとつ、資金が二倍、三倍と増えるまではポジションサイズを大きくしないこと。儲かり始めると、すぐに賭け金を大きくしてみんな失敗する。 ●連勝した後はポジションを小さくし慢心をいましめる。大損したあともポジションを小さくし、メンタルを整え直す。 ジム・ロジャーズ ●絶対に確信があるときしかトレードに入らない。道ばたにカネが落ちているのを見つけるまで待っている。確信がないときは「なにもしない」のが一番。 マーク・ワインスタイン ●確実にすべてのトレードをとっていくことを基本にしてる。だから、数時間または数分以内に利食いすることも多い。こつは絶対に確信があるときしか入らないことと、相場に対して常に臆病でいること。相場の状態が少しでも変だと感じたら様子見に徹すること。完璧なシグナルが出て、完全に有利なトレードができるタイミングでのみインするというやり方が、優秀なプロのトレーダーの典型。 2012/3/25(日) 21冊目『マーケットの魔術師 株式編』 出版社:パンローロング2007年4月の増補改訂版(初版2001年4月) 評価:★★★★★ 涙が出てくるほど素晴らしい株本。驚愕のパフォーマンスを果たしたウィザードたちの口からこぼれた金言の数々が収められている。ある程度の基本を押さえ、自分の勝ちパターンを確立した人向け。 スチュアート・ウォルトン ●辛抱づよく、好機を待て。 ●自分の考え、自分のスタイルでトレードする。 ●衝動でトレードしない。他人のアドバイスには頼らない。 ●ひとつの出来事やひとつの銘柄に対してリスクをとりすぎない。 ●反応するのではなく、予測する。 ●そのときのマーケットの見方に、自分の戦略を適合させる。 ●ポジションの確信が持てないのなら、そのポジションはすぐにとじる。 ●ナンピンは基本的にしない。 ●常に自信を持つ。好機は次々とやってくる。 スティーブ・ワトソン ●運用資金は有限なので、常に最高だと思える銘柄に投資すること。 ダナ・ギャラント ●空売りする銘柄の三つの条件 perがとても高い。 ごく近い将来に株価を下げる要因がある。 上昇トレンドの失速または転換。 マーク・クック ●自分の行った取引の分析を徹底的に行うこと。 ●過去のデータを調べると火曜日が上げ相場、金曜日が下げ相場になることが多かった(投資家の心理が影響しているのだろう)。 ●トレーダーは時間と研究と経験が求められる仕事なのです。知恵は知識と経験の産物です。知識がより豊富ならば経験が足りなくてもどうにかなるし、その逆もしかり。もし両方あれば、学習曲線は急勾配になります。 ●自分の弱点に常に向き合い、改善策を探り続けること。 ●一日の最初のトレードでは特に慎重さが求められる。最初につまずくと、メンタルが悪くなり、規範を無視したトレードに手を伸ばしてしまう危険性が高まる。 アーメット・オクマス ●銘柄はファンダを重視して選択し、頭の中ではそれぞれの株の価値が決まっているので、株価がその価値との比較で十分に安くなれば買います。 ●最終目的は、すべての投資で利益を上げることであり、多くの投資機会をとらえることではありません。 ●起きている時間の九割はマーケットの研究に費やしている。 マーク・ミネルヴィニ ●マーケットで勝つために必要なことの九割は損失を押さえることです。 ●市場が調整局面にあっても、堅調な株に注目しておくこと。 僕の(著者の)運用成績が一変したのは、正しい判断をどれだけ数多く下せるかということではなく、勝てるトレードでどれだけ利益を膨らませ、負けるときにどれだけ損をおさえられるかということのほうが重要だと理解したときからです。「間違いは許されるが、間違ったままいることほど許されないことはない」 ●勝つトレードは最初からあがるもので、弱いポジションにいつまでもしがみついている必要はない。 ●勝つ公算がずば抜けて高そうな時しかトレードしない。あとはずっと様子見。 ●いったん損切りしたポジションを何度も買い直すこともある。大きな損失を一回出すよりも、続けて五回小さな損を重ねるほうを選ぶほうがよい。 ●常にマーケットの流れを捉えるための努力を欠かさないこと。 スティーブ・コーエン ●あらゆる情報源から得るたくさんの情報を組み合わせて、マーケットの動向を読み、相場を張る。 ●僕の(著者の)基本概念とは、自分の理論に従ってトレードしたら、自分が正しいかどうかは相場に聞くというやり方だ。答えがはずれならすぐに損切る。 ●トレードを仕掛けるには十分な根拠がなければいけない。 まとめより ●自分の相場観、トレーディング哲学を書いてまとめ、定期的に手直していくといい。 ●対リスク収益を鑑みて、高い確率で成功の可能性が見込めそうなトレードでは大きなサイズの取引を行うべき。 ●不測の事態に備えて、レバレッジの賭けすぎには十分に注意する。ひとつの銘柄に、100%以上のレバレッジをかけてはならない。 ●その株を持っている理由をきちんと言葉で説明できないようであれば、それは持つべきではない。 ●否定的な情報に過度に反応する株は弱い。ウォールトンいわく「悪いニュースに大きく反応してしまうのは、その銘柄がマーケットに好かれていない証拠」 ●分散投資をしすぎると結局インデックス買いのパフィーマンスに近づいてしまう。 ●堅実なアプローチも多くの人が使い出せばダメになる。 暴落時(総弱気時)の考え方 ●弱気相場ではリターンとリスクのバランスが激変する可能性がある。同程度の好材料と悪材料で前者は5%の上昇、後者は20%の下落みたいなことも起こりうる。このような時期は特に優位性のあるトレードのみに絞って行う必要性がある。余計なことはしない。ゲームに参加すべきでないときを知るのは、生き残るために非常に重要。 ●いくらファンダが素晴らしい会社でも、マーケットから注目を浴びるまでは持っておく必要はない。根気強く監視を続け、そのときが来たら買えばいい。 ●「損を取り戻そう」とは絶対に思わないこと。これはメンタルをゆがめて、規範を踏み外したトレードを行ってしまう一番の要因になる。
2012/3/23(金) 20冊目『新・マーケットの魔術師』 出版社:パンローリング 1999年3月刊 評価:後日 有名なマーケットの魔術師シリーズのうちの一冊。先物やオプション取引の魔術師たちの記述が多く、ほかに先に読みたい株本が出てきたこともあり、自分のトレードに関係のありそうなところだけを拾い読みしました。巻末の「金言集42か条」はまさに金言の宝庫。先物やオプション取引に関する知識もないよりはあるほうが良いと思うんで、評価はまた後日読み直したときにでも。 ●忍耐の効能 好機を待つことは、トレードで勝つ勝率を高める。絶えずトレードをしている必要はないのである。以前の負けを取り戻そうとして、トレードに対してむきになってしまうことに特に用心すること。かたき討ちトレードは、確実に失敗へと導かれることとなる。 好機を待つだけでなく、忍耐は仕掛けている途中のトレードを投げ出さずに持ち続けるためにも重要である。「アマチュアは大きな損失を被ることで破産する。しかし、プロは小さな利益を取ってしまうことで破産する」 ●常にリスクの低いトレード・アイディアを考え続けること。 ●確実に有利と思えるトレードでは、資金を多くし、ホームランを打つこと。逆に有利そうでないトレードでは、投入資金を抑えるか、休むこと。 ●勝率を重視すると、結果的にそのトレーダーは収益の大きさへの配慮が薄れる。「トレードの勝率は最も価値のない統計値で、パフォーマンスと逆行することさえある」 「多くの手で勝つことではなく、収益の最大化を主眼とすべきである」。 ●ひとつのポジションに対して忠実になってはいけない。自分の判断が間違っていたと認識したら、すぐに手仕舞うこと。 ●トレードにおけるストレスは、何かがうまくいっていないという兆候である。ストレスを感じたら、原因を考え、問題を取り除くように行動することである。 ●「おびえた金」で勝つことはできない。安心のできないポジションや資金量でトレードをするぐらいならやるな。結局トレーダーは、自分がおびえずに戦えるサイズでのトレードでしか(長期的には)勝てない。 ●起こってほしいことと、実際に起こりそうなこと。このふたつを明確に区別することが重要。 ●ランダムウォーク理論は間違っている!! 19冊目『天才数学者、株にハマる』 出版社:ダイヤモンド社 2004年1月刊 評価:★ アメリカの数学者が書いた株の本。軽い気持ちで読み物として手にとってみましたけど、典型的なダメ本でしたわ。半分読んで投げました。 まず、著者がランダムウォーク理論の支持者である点からして気に食わない。 高所から俯瞰すると株式相場はまったくランダムに動いているようにも見えるけど、局所局所では、ファンダメンタルおよびテクニカル(需給)の理屈で動いていると自分は思う。 株で勝ちたいのならば、株式相場全体を分析しようとしていてはダメだと思う。ではどうすればいいかというと、自分でも分析可能なポイントを探し出して、そこでチャンスを拾ってとっていくという。 「個人的で、具体的で、わかりやすい」のが良い株本だとすると、「一般論的で、こむずかしい」、この本みたいなのは一番ダメ。
2012/3/20(火) 18冊目『あなたも株のプロになれる』 出版社:同友館 1987年4月刊 評価:★★★★ ウェブサイト「株式書籍案内」で評価が高かった本なので読んでみました。この本の特質は、カバーに記された下記の紹介書きに集約されていると思います。 「多くの投資家は当てようという努力に相当なエネルギーを消費している。その膨大なエネルギーを技術の習得に向けたならば、短期間に見違えるほどの進歩を示すに違いない。(中略) ところが多くの投資家は一生を当て屋のまま、(注:つまり当て屋から技術屋への転向ができない、またはそれを思いつきもしないまま)成功を手にすることなしに終わる。(後略)」 この本では、著者がどのようにして自殺寸前に追い込まれるまで負け、またどのような意識改革を行い、どのような勉強や訓練を重ね、どのような技術を習得したことで株で飯を食えるようになるに至ったかが、売買譜つきで非常に具体的に書かれている。 株で勝つための基本は分割買い、分割売りだという主張や、著者が持つにいたった基本的な相場観は、「なるほど確かに!」とうなずけるものだったけど、著者が相場を張ったのが昭和30〜50年代と昔の話であることと、彼の基本スタンスが買い下がり、売り上がりを多用する逆張りであることから、手法を真似たいとは思えなかった。著者いわくプロには逆張りが多いらしい。理由は順張りより値幅が取れるからだとか。 ●勉強について。 できること以外は知らない方が利益があがります。中途半端、あるいはくだらない知識は失敗のもと。理論を知りすぎると理論倒れになる。自分の得意な型を見つけたら、まずはその習得に励むべき。不要な知識は捨て、相場観に一貫性を持たせることが大事。ただし、経済の常識や外部環境の変動を抑えることは必須。 ●打診買いから始める分割売買が基本中の基本。巧い人の売買は玉が動く(持ち株数や、平均取得価額)のが普通。 ●(合理的な判断に基づいた)損切りは当然のもので、相場で利益を出すためには当然の経費。分の悪い勝負になったと思ったら、絶対に意地を張らずに撤退すること。あらゆる事業には経費がかかる。株の場合はそれが損切りにあたる。相場は失策の続くゲーム。 ●一発必勝の買いは必敗の法。 ●同値圏内の増し玉は枚数を少なくせよ。 ●下落基調の銘柄を値ごろ感だけで買うな。(チャートや出来高を分析した上で、きちんと根拠がつけられれば良い) ●大きく取れそうな銘柄よりも、必ず取れる銘柄を選ばなければならない。 ●三分割購入(著者は買い下がりの場合、1:1:1よりも1:2:3、ないし2:3:5が好みといっている)、三分割手仕舞いを推奨。ただし、手仕舞いは一括でも良い。 ただし、現時点で私にはナンピン買い下がりは基本的に奥の手であり、リスク管理の観点から常用すべきものではないと思われる。 ●好調の波に乗れているときこそ、手綱を締める必要がある。うぬぼれて根拠の薄い悪乗りしないこと。 2012/3/18(日) 17冊目『株の短期売買ノート』 出版社:同友館 2003年7月刊 評価:★★★★★★(6つ★殿堂入り 究極の株本認定) この本は素晴らしい。素晴らしすぎる!! ファンダとテクニカルを両方抑えておくことの重要性。 カラ売りの仕方。価格帯別出来高分析の重要性。信用残や仕手株の見方。 スイングをする際の、売り買いどきの要点。 すべてにおいてほぼ完璧な、それも非常に具体的な教示がなされていると、現時点の自分としては判断しました。(ほんのいくつかの点では、異論もあるが) これは5つ★を超えた6つ★本として、個人的究極の株本に認定します!!! この本の内容をすべて頭のなかに叩き込んで、実践できるようになれば、もう他の株本に手を出す必要性もないのかもしれない・・・。そんなことまで思ってしまいました。 ●株式投資を資金効率の面から判断すると、長期投資、利回り投資、一流株投資、資産株投資、配当取り、ナンピン買いといった投資法は間違った選択であるように思います。 ●相場では、本能や感情のおもむくままに行動すると破綻します。損をしたくない、利を逃したくないという感情から、結果的に「利益は少なく、損は大きく」になってしまう個人投資家がたくさんいます。「損は小さく、利益は大きく」を常に意識して取り組むのが最大の成功の秘訣です。 ●年率40%を目指すよりも、一ヶ月で5%の利益を乗せていったほうが(年率換算60%)資金効率は良い。長期よりも短期トレードで資金効率の良いトレーダーを目指せ。 ●材料が出た銘柄の飛びつき買いは典型的な死亡フラグ。 ●ナンピンをするぐらいなら、一度切って入りなおす。そもそもナンピンが必要になるような銘柄を買っている時点で、良い手ではない。ただし、上昇トレンド銘柄の押し目を買い下がるのは良い。 ●テクニカル面からのカラ売りは「二番天井」を売ることが基本です。「二番天井」とは、株価が最高値をつけその後10%〜30%下落します。その後、最高値近くまで戻したところが二番天井です。通常、大幅高となった場合、それらに伴い出来高も急増するものですが、二番天井の場合は出来高が伴わないのが特徴です。その出来高は最高値形成時と最高出来高の三分の一程度にとどまります。天井圏では大出来高となり、有る程度の浮動株が吸収されるからです。 その後、下げることによって天井圏で買い付けした建玉がマイナス評価となり、一時的に商いが止まります。浮動株が少なくなっている、その後の若干の押し目買いでも株価が急騰するという現状が起こります。しかし、その急騰も前の最高値近辺での大量の買いしこり玉の売りが一斉に発生しますので、急騰もここまでということになります。これが二番天井の基本的なメカニズムです。 ●低位株投資はハイリスクハイリターンであり、ロウリスクハイリターンを追求する投資の基本からみると、おすすめできない。 ●次から次へと上がりそうな銘柄を物色するような投資姿勢では安定した成績を収めることは難しい。銘柄をある程度絞り込み、それらの銘柄をじっくり検証して売買するほうが最終的には良い結果が得られる。 ●投資の基本は短期といえども、ファンダメンタル分析にある。成長率が高い割安銘柄を、テクニカルを使って売買するのがもっとも良い。 ●業績分析の原点は、経常利益と1株益の増益率および、業界水準との比較である。 ●自己資本比率の最低水準は25%以上。これ以下の銘柄には投資しない。 ●テクニカル分析の基本は「株価」「出来高」「信用残高」が基本要素であり、これらをしっかりと分析できれば、あまり多くの分析指標は必要ないのです。多くの分析指標は迷いを引き起こすだけです。 ●新規上場間もない銘柄は、上場時にしこり玉が多く、その消化整理に時間がかかりやすいので、よほどファンダメンタルが良く割安なもの以外は、当面は見送ります。過去の値動きがわからないため検証する手段もありません。 ●出来高の少ない押し目の底で拾い、出来高の大きい天井で売るのが理想。 ●株価は需給関係で上げ下げを繰り返しています。需給関係とは、出来高や信用取引による売りや買いの信用残高を指します。需給関係は「現物取引」、「信用取引」と証券会社が行っている実態のわからない「自己融資」があります。これらが出来高となり需給と言われています。 ●信用評価損率が10%を超えてくると、信用買いと担保株券のトータルで担保評価割れとなって「投げ」が発生することになります。このような状況になると、思いもよらない急落となることがあります。 @
相場は、いったん底を打って上昇すると、今までと打って変わって大幅な上昇を演じる。押し目も小幅にとどまる。 A
長い下降相場の後遺症で、仕掛けのタイミングが遅れる。 B
上昇相場になると、今までのテーマ株とされていた銘柄も大きく入れ替わり、新たなテーマがつくられる。 ●仕掛ける銘柄は5〜10銘柄程度に分散。買うタイミングも何日かに分散。 ●一般的に仕手株と称される銘柄は、通常資本金50億円以下の銘柄です。浮動株が多いと株集めに大きな資金が必要となるため、浮動株の少ない銘柄や固定株主の占める割合が多い銘柄が仕手株候補となる。仕手株が、業績の良くない銘柄を選ぶことが多いのは、「業績が良くないのに上げるのはおかしい」とカラ売りの仕掛けを誘い込むためです。 仕手株を初期の段階で発見するには、やはり出来高を見ていかなければいけません。 @
出来高は継続的に出来ているにもかかわらず、引けでは売りを出して値を消す作業をする。ローソク足でいう「上ヒゲが長い状態」で推移する。 A
一通り浮動株をさらってしまうと、株価をやや吊り上げて、再度同様の仕込みを行う。 B
これらを何回かにわたって行い、ある程度株価上昇となると、いったんふるい落としをする。 C
これで高値を打ったと考えた投資家がカラ売りを仕掛けてくる。 D
誘い込みが終了すると、一斉に買ってくる。カラ売り筋はナンピンで売りあがってくる。 E
売り方は株不足、逆日歩と締め上げられ、最後には投げてくる。株価は恐ろしいほど上げる。 ●短期売買では、必ず一波動の上昇のみでいったん決済することが基本。すべての押し目の最安値で仕掛け、上昇後の最高値で利食いすることが理想といえば理想(不可能だが)。 ●高値利食い法 @
前日、大幅上昇となって、本日寄り付きから、さらに上昇となった場合、高値は前場の10時前後につけることが多い。その後ボケるようであれば、前場の引けか後場の寄り付きで決済する。 A
後場の1時30分前後に高値を打って、その後出来高が急減し、株価も下げれば翌日も弱いと見る。 B
前日、大幅上昇となった場合、朝の寄り付きから利食い売りに押されて下押ししたものの、前場の10時前後に下げ止まり、その後再び上昇となるものは強い。 C
後場1時30分前後に安値をつけて、その後、出来高を伴い株価上昇となれば翌日は強いと見る。 D
前場の出来高よりも後場の出来高の出来高が多く、株価が下げなければ引き続き強いと判断できる。 E 前日10%以上の急騰の銘柄は、本日の9時15分の株価が前日より上昇となっていなければ成り行きで処分する。 16冊目『株式成功実践論』 出版社:同友館 1997年3月刊 評価:★★★ 株の「正しい勉強法」と「誤った勉強法」の解説が本書の主要なテーマとなっている。株の本は、「評論家」や「理論家」が書いた本を読んではいけない。自ら相場を張り、きちんと利益を出している「実践家」が具体的なことを書いた本を読むのが最良とあり、これは自分もまったく同意見だった。 著者はチャートや売買記録を手書きでつけることを強く推奨している(初版が20年前の本です一応)。手書きチャートで実力がつきそうなのはわかるんだけど、やっぱり、面倒くさいんだよなあ。相場と手が合わなくなって、ぜんぜん勝てなくなったらやってみようっと。 ●「相場技法」などというともっともらしいが、平均値を有利にする分割売買と失敗のときに持ち玉をゼロにする、だけの玉の操作のことにすぎない。 ●儲けたいなら、トレードに「面白さやスリル」を求めてはダメ。自分の決めた方法でガチガチのトレードをせよ。 ●今の手法がうまくいっているうちは、無理して新しい手法を探す必要はない。手法の専門(よりどころ)は狭く深くがよい。しかし、相場・市場の常識的な知識は広く浅く持っておくべき。 ●利益をあげ続けることができるのは、機関投資家の大部分と、個人投資家のごく一部にかぎられる。かれらは「リスクを最小限にとどめられる」か「売買が上手」かのどちらかでしかない。 ●一般投資家は不勉強である。株は一口にいえば「自分よりバカな(不勉強な)者」をみつけるゲーム。安値で買った株を、高値で自らよりバカな者に肩代わりさせるのである。バカにならないためには、正しい勉強を積み、経験や知識を身につけ、自分なりの勝てる投資観を練り上げることが必要となる。
15冊目『魔術師たちのトレーディングモデル』 出版社:パンローリング 2001年3月刊 評価:★ なんか全然面白くなかったので、流し読みしてしまった。現状ではあまり読んだ甲斐がなかったかも。 ●石油価格の高騰は運輸株や航空株には悪材料。石油高騰は金利上げを招く要因であり、金利が上がると金融株が低迷する。
14冊目『株式投資 これだけはやってはいけない』 出版社:日経ビジネス人文庫 2006年2月刊 評価:★★★(再読) 初心者向け。でも、良書。著者の山一證券時代の後輩ディーラーA氏の話が面白かった。A氏は本当に優秀なディーラーだったが(今も他社で活躍中)、相場の研究が大好きで24時間相場漬けの生活を送っていたという。何のジャンルでも毎日四六時中、研究対象のことを考えているぐらい好きになれれば巧くなるのも当然だと思う。 ●慣れない手法には手を出さない。自分が慣れた手法だけを使うこと。また初見の銘柄には手を出さず、慣れた銘柄を扱うこと。 ●中長期投資目的で買った銘柄は一日中株価を眺めていると、小幅な値動きや板の雰囲気に惑わされて、予定外の下手な手を打ってしまうことが多い。 ●焦って取引をしない。また、入ったら焦ることになりそうな銘柄には手を出さない。偶然に賭けてはいけない。常に計算してトレードせよ。迷うようなら入らない。迷って入ったトレードは勝率も低い。 ●日経平均採用225銘柄の除数は24.14。低位株の影響は少なく、値ガサ株の影響が大きい。日経225銘柄はエリート中のエリート銘柄の集まり。 ●手が合わないときは、売買を重ねていても損が増えるだけ。手が合い始めたらまた気合いを入れて勝負すればよい。 ●プロや大口の投資家は、本当に買いたいときは指し値買いなどしない。むしろ厚めの板があるほうに買いや売りをぶつけてくる。だから一瞬一瞬の板の状況に気をとられすぎないほうがよい。 ●信用売り残高が増え始めた銘柄は買いを検討するのがふつう。
13冊目『伝説のマーケットの魔術師たち』 出版社:パンローリング 2005年11月刊 評価:★★★★★ 以下5人のトレーディングの巨人たちの取引スタイルについて解説した本です。 ジェシー・リバモア バーナード・バルーク ニコラス・ダーバス ジェラルド・ローブ
ウィリアム・オニール 非常に示唆の大きな本でしたので、文句なしの五つ星評価としました。 この本を読んで確信したことがふたつ。 ひとつめは、成功したトレーダーは、人の意見を鵜呑みにせず、自らで本を読みまくり、相場や銘柄を研究しまくり、独自の「強い」相場論を練り上げているということ。 もうひとつは、相場の外部要因は、時代や国でまったくバラバラだけど、相場を動かしている人の心理には基本的にはほとんど変わりがないということ。 ●この五人の先駆者は研究によって実際に役立つ手法を見つけだしたが、それができたのも日々の細かな相場変動にとらわれず、その奥にあるものを入念に探り出そうとしたからだった。ほかの職業でも大成するためには集中と努力を払おうとしない。しかし、ここが難しい点であり、ほとんどの人が十分な集中と努力を払おうとしない。ほかのどんな物事とも同じで、可能な限り高いレベルまで到達するには、必死の努力と専念が不可欠である。自分の能力の向上につながる可能性のあるすべての方法に取り組み、広範で分厚い知識を得ようと努力することが大切。 ●失敗から学ぼうとする姿勢がなによりも大事。他人の意見に心を動かされない。 ●トレーディングで成功する秘訣のひとつは、時間的要素について理解することである。強気相場で利益確定を急ぎすぎてはならない。相場全体の方向性と現在の段階がどのような位置にあるかを見極めることが重要。大きな利益は大きな変動相場から生まれる。 押し目では下手なリカクよりも買い増しを考える。長めのスパンで見ることにより、相場につきものの、細かな変動に振り回されることもなくなった。 ●気分を落ち込ませない。自信を失わないように心をコントロールすることは相場を張る上でなにより重要。 ●1千円とか二千円とかの切りのいい数字を突破すると、株価はそのまま上昇を続ける可能性がある。 ●リバモアの考える勝つトレーダーに不可欠な要素 @感情をコントロールする力 A経済と基本的なビジネス条件の知識(一定のイベントが市場と株価に与える影響を理解するのに必要な知恵) B忍耐力(じっと利益を伸ばす能力があるかどうかが、一流トレーダーと三流トレーダーの分かれ目) C観察力 D記憶力(以前の過ちを繰り返さないように、主な出来事を覚えておく力) E数学的能力(数量データとファンダメンタルズを理解する力) F経験(経験と過ちから学ぶ力) ●出来高が増えているのにも関わらずわずかしか値上がりしないときや出来高を伴って株価が大幅に下落するときは、重要な売りシグナルとなる。 ●大きな利益は大きなスイングから生まれる。確実な先導株はじっと見守り、利益が伸びるままにする。持ち株と相場全体が予想どおりに動く限り、目先の利益確定の誘惑に負けず、じっと待つ。大きな利益は方向が変わるまではそのままにしておく。 ●ケネディの話によれば、1929年の大上昇相場のある時期、まだ暴落が起きる前のことだが、靴磨きの少年が彼に相場の秘密情報を教えてくれたことがあるという。それを聞いて、ケネディは、靴磨きの少年が秘密情報を口にするほど相場にのめり込んでいるのなら、天井は間近だと確信した。つまり、だれもが相場に投資しているのなら、需要は全部満たされてしまっており、株価が上昇する余地はもう残っていないと推論したわけである。 ●トレーダーの成功・不成功には、長期的に見れば運の要素は関係ない。成功をもたらすのは、知識であり、人より優れた能力だった。相場を理解するために費やす時間がトレードの結果に直結している。ジェラルド・ローブの考えでは、ほかの専門的職業や事業と同じで、研究を行う必要があった。成功した大トレーダーに共通しているのは、書物から独力で学び、また相場や過去のチャートの動きなどの研究を重ねて、自ら判断し、自ら結論を下せるようになった。 ×衝動的トレード ×過剰金額トレード ○計画的トレード (=その取引の合理性を説明できるようなトレード) ●相場が決定的な上昇期にあるのか、もしくは下降期にあるのかを見抜くことが決定的に重要。
株式戦略@ ※今後、改訂していく可能性あり 「バリュー兼グロース銘柄で儲けるお」 銘柄選び 財務分析(PERと、成長率およびROEを最重視)・外部環境との兼ね合い・ビジネスモデルなどのチェックを行い、仕込む銘柄を選ぶ。四季報やオール投資を定期購読するなどして、人よりも早く情報をゲットし綿密な分析をすること。四季報は基本的には全銘柄、perの変化率を見ていって、そこから気になった銘柄に対し、細かいファンダ分析を行っていく。 目標株価を自分で決める 同業他社などとの比較分析をしたり、長めの過去チャートを見て、自分で対象銘柄の目標株価を設定する。これをしておかないと、以降、株価が上下したときに、自分が今どんな位置にいるのかがわからなくなり、非合理的な取引をしてしまう。 確実な上昇トレンド内での押しには狼狽しない 需給の関係上、株価はジグザグと上げ下げをはさみながら上昇する。需給のはずみによる一時的な下げに狼狽して、無益な損切りはしない。 大きな窓明け、上ヒゲが出たら要注意 大きな窓明けや上ヒゲが出たら需給の関係から一時的な調整(窓埋め)は必至。できるだけ大きな利益を得るには、大きな窓を上げて上昇し、上値が重く上げどまったと感じたら、一度リカクしておくのが吉。 分散して買っていく 一度に一括して仕込まず、初回購入後に一時的な押しがくることを想定して、少しずつ買い集めていく。 出来高が少しずつ増え、チャートが緩やかに上がりはじめたら ストロングホールドないし、需給の動きによく注意して、上げ止まったらリカク、下げたところで拾いなおし、などの戦略をとる。 材料が出て、出来高急増をともない爆上げしたら 直近2週間ほどの出来高と比較し、とんでもなく出来高が増え、今日は爆上げだな、と直感したら、上ヒゲをつけて調整に入る前に、いったん上のほうで売っておくのが理想。新聞に出る、決算が出るなどの要因で上がった場合は、一日で爆上げして、すぐにしぼむ可能性が高いので、いったんは上のほうでリカクするのが吉。 四季報相場への対処方法 四季報新号の影響による、いわゆる四季報相場は、ニュース材料や好決算が出たときと比べると反応速度が遅い。(少なくとも1日や2日で水準訂正が完了することはない)よって、四季報発売日から数日間の「上げてはいるが、出来高の増加率が少なく、上昇値幅も少ないときはザラ場の上げ下げは無視して鬼ホールドしておくのが吉」。ただし、人気に火がついて買いが買いを呼ぶような展開に入ったときは、ある日いきなりとんでもない出来高急上昇と値幅上昇を表すことがある。このとき、もしすでに株価が自分の設定した目標を超えていたらいったんリカクするのが吉。その後、さらに買いが買いを呼びどこまでも値を上げるような局面(オーバーシュート、日本管理センターみたいな例)にもしも入ったら、INするのは禁止とは言わないが、上のほうでがっつりつかむと、即死してしまう恐れがあるため、重々気をつける。基本的に、株価は最終的には、その株のファンダにあった適切な株価へと向かっていくものだから。 決算持ち越しはしない 決算持ち越しをしたくなるような成長株は、すでに株価も期待で上がっているケースが多い。持ち越しで勝てる場合もあるが、負けたときのダメージは計り知れないので、決算持ち越しは基本的にはしない。期待度がものすごく高い銘柄の場合でも、持ち越すのならば株数を減らしておくこと。 読みがはずれたら潔くあきらめて損切りする 出来高を増やしてサポートラインを割って下落するなど、トレンドラインが上向きから下向きに変わったことが明らかになった場合は、いさぎよく負けを認めて撤退する。ほかに良い銘柄はいくらでもある。
12冊目『テクニカル指標の読み方・使い方』 出版社:日本実業出版社 評価:★★ タイトルそのまんま。テクニカルの入門書でした。多くの指標を網羅するのではなく、使い勝手の良い10個ぐらいのテクニックに絞って解説しています。 この本のダメなところは、テクニカルを解説するのに需給(価格帯別出来高分析)の観点からの説明が丸っきり抜け落ちているとこですね。株価やチャートの形だけ見ていても、そのような株価やチャートを形作る原因となる、需給のことがわからないと全然意味がないと思います。本当なら★ひとつでも良かったんですが、いくつか拾える文章があったので、★ふたつにしました。オシレータ系の指標はどうも好きになれません。価格帯別の出来高をびっちり見ておけば、わざわざオシレーター系の難しい指標を使わなくても儲けは出せるような気が今のとこはします。ただ、今後、行き詰るようなことがあったら、もう一度各指標を使ったテクニックのほうは勉強しなおしてみようと思います。 ●株価の上昇局面には穏やかな上げと、急激な上げがある。テクニカル指標の売買サインに従って利益を出すには、その上昇気流の流れをいかに察知して、事前に穏やかな上昇のうちに買いを入れておけるか、勢いの強い上昇の初期に買いを仕掛けられるか、そして勢いの強い上げが止まった後、株価が大幅下落するまえに手仕舞いできるかが勝負の分かれ目になるのです。 ●
上昇に勢いが出たら、多くの市場参加者が目標としている地点を目指す。 株価に勢いが出て、市場参加者の多くが「あそこまでは上げるだろう」という思惑が出てくるような、はっきりとした上昇局面では、株価の上げが中途半端な水準では止まらなくなります。誰もが「ここまでしか上がらないだろう」と意識している地点を上抜く展開になると、その後、上昇余地が大幅に拡大する場合もあります。 絶大な買い人気を伴っている反面、多くの市場参加者に上値が重いと意識されたら、すぐに株価が反転して急落する可能性を秘めています。
2012/3/9(金) 11冊目『実戦 生き残りのディーリング』 出版社:パンローリング 2007年5月刊 評価:★★★★★ 6冊目で紹介した『なぜ、株価は値上がるのか? 相場のプロが教える利食いと損切りの極意』の矢口新さんの著作です。前書きで矢口さんは、この本はプロのディーラーに向けて書いたと語っています。実際に、この本を座右の書としている機関投資家も多いとか。非常に示唆に富んだ本でしたので、最高評価の5つ星としました。 ●日本の経常黒字が拡大し、円買い需要が強まると円高トレンドになります。逆に経常赤字がひどくなると、今度は支払いのための外貨が必要となり、円安圧力となるのです。スーパーパワーのアメリカでさえ財政、経常の双子の赤字となり、ドルが売られ続けたのですから、日本が双子の赤字となれば200円、300円といった円安も想定内に入ってくる。経常赤字ということは外国からの輸入に頼るということでもあるので、物価の上昇で今の生活レベルが維持できなくなる。 ●基本的にはどう考えても割安なものを買い、どう考えても割高なものを売れば良い。→でも、オーバーシュート(=買いが買いを呼ぶ状態)でどこまでも踏み上げられる危険性があるので、割高銘柄のカラ売りは無理して行わずに基本放置しておけば良さそう。 ●つねに何故こういう結果になったのかを考え続けること、相場観を持ちそれを結果から検証し続けること、この姿勢を持っていることが一番大事。なぜこの銘柄にこの値段で入るのか、なぜ失敗したのか、なぜこの値段でリカクないし損切りするのかを明確に言葉で説明できるぐらいでないとダメ。→それを繰り返すことで強い相場観ができあがっていく。 ●短期の需給はディーラーや投機筋の手によって動く部分が非常に大きい。だが、大きなトレンドはディーラーたちの力で越えた部分で動く。→ディーラーに勝つ自信がなければ、中長期で勝負しろ。 ●かつてのポンド危機、アジア通貨危機などの原因に有名ヘッジファンドをはじめとした投機筋の行動を挙げる風潮がありました。しかし、それらは魔女狩りの類と思って下さい。 どの場合も彼らは、むしろ当局に協力する形でそれらの通貨を保有していました。価格の下落リスクなしに、高金利を享受できたからです。「当局がついているから」と、投機筋はどんどんポジションを膨らませ、大儲けできていました。しかし経済の実態にそぐわない無理な規制は、当局と投機筋とが協力してかかっても、ダムが決壊するように崩れるときがあります。支えきれず、規制の限界を感じ取ったとき、投機筋は逃げたのです。(そこから儲けるための逆の手に出て、当局はつぶれ、投機筋は生き延びた) ●他人のアイデアも含め、情報は早く、多く、そして何より確実な(=価値があると見抜く)ほど良い。その情報を消化し、活かす力もセットで必要なるが、これには経験と、そのための訓練がものをいうはずです。 ●当たり前のことだが、相場は自己判断で張るもの。他人の意見を鵜呑みにするな。 ●通常、市場にはマーケットメーカーやデイトレーダーなど、日計りのポジションを多く持つ人が一番多くいます。彼の多数は支持線で買い、抵抗線で売るという単純なディーリングを繰り返しています。これが「短期ディーリング」の基本です。ただし、大口が意図的にセオリーを崩して日計り殺しを図ってくるケースもある。 ●常に情報を取り、吟味する癖をつけること。すると、やがて情報の価値を見抜けるようになったり、ある情報のなかに語られていない情報を読むこともできるようになる。幅広い経験や知識があると、小さなヒントでもそこに潜む本質を感じ取ることができるようになる。 ●マクロ経済の成長率を分析し、為替や金利を予測し、セクター分析をし、銘柄を選び出して企業業績をはじき出す。すべてに無理がなく、来年にも株価二倍という予測もあながち大風呂敷でもなさそうに思えたとします。しかし、アナリストの買い推奨が説得力に富んでいればいるほど、株価は来年など待ってはいられないものです。1、2ヶ月もあればターゲットに到達してしまうのです。 値上がりするなら誰しも買いたいでしょう。早く買えば安く買えます。相場はそのうちに理論価格と思われていた水準を超えていきます。そこからは買いが買いを呼ぶ展開となっていくのです。買えば上がる。上がるから買う。価格上昇のみが相場を支えていくのです。ここでレバレッジをいたずらに膨らませていくと本物のバブルとなるのです。→日本管理センターのケース ●買い乗せのタイミングは、抵抗線を抜いてゆくときです。ふつう、抵抗線の近辺では反発の兆しがあるのですが、ここでの利食いを慎重のこらえ、抜けたとみるや買い乗せで勝負に出るのです。下げ相場では支持線を破るときが、売り乗せのタイミングとなります。 ●最初に買うときの動意は理詰めです。株式ならばマクロの経済情勢に加えて、企業収益を調べ、成長性を調査し、財務内容、経営者など、企業を細かく解剖し、分析し、なおかつパーなどを調べてみてやっと重い腰を上げます。ところが、一度価格が上がり始めると、その動きを見ての買いが集まり、それまでのゆっくりとした値動きが嘘のように値を飛ばすことがあります。この時点でその価格を支え、さらに上昇させていく力となっているものはその商品(株式)の本来の魅力とは違ったところのもの、買いが買いを呼ぶ「価格上昇期待」なのです。価格上昇期待は商品を選びません。値上がりするものは何でも買うという性質を持ちます。 ●ナンピンは評価損からの脱出という消極的な目的のために多大なリスクを取るという、戦術的には拙い手法です。 ●勝てるときには大きく勝っておく。七勝三敗で損を出すよりも、三勝七敗で利を出すほうが当然良い。小さい評価益を確定せず、より大きな期待利益のためにそれを捧げる。そして逆に行った場合の損切りは徹底するようにする。
2012/3/8(木)
10『サルになれなかった僕たち なぜ外資金融機関は高給取りなのか』 出版社:主婦の友社 2007年2月刊 評価:★★ タイトルに惹かれて読んでみたんだけど、面白い本じゃなかったな〜。365日平均睡眠時間4時間で働く若き投資銀行マン2人の生活像が垣間見れたのは興味深かったけど、なんて言うか、文章がすっごくちゃかして書きすぎなんですよね。ザーメンとかヴャギナなんて単語がバンバンでてくるし。なんか全体的に抽象的で小説っぽい書き方なんだよなー。こないだのリーマン日本証券の社長の本みたいに、もっと真摯な文体で書いてほしかった。。。 9『世界経済三賢人 バフェット・ソロス・ボルカー』 出版社:日本経済新聞社 評価:★★ グロース株長期投資の神様バフェット、ありとあらゆる投資対象を追いかけ天才的な洞察力と度胸で莫大なリターンを手にするソロス、そしてグリーンスパンの前のFRB議長としてアメリカ経済の救世主となったボルカー。この三名の神のことをそれぞれさらりと紹介した本ですね。 自分のトレードに直接役立つような知識はあんまりなかったかなあ。バフェットの本はこないだもっと詳しい本を読んでしまったし。ただ、テクニカル系の実戦テクの詰め込みが終わったら、ソロスやボルカーをちゃんと扱って書いた本も探して読して読んでみたいですね。
2012/3/6(火)
8『仕手の現場の仕掛け人 真実の告白 誰も言えなかった錬金術のカラクリ』 出版社:ダイヤモンド社 評価;★★★★ 図書館で凄まじく素晴らしい本に出会ってしまった。この本は10,000円ぐらいの情報料を払っても読む価値がある本だと思う。著者は国内証券→外資金融をアナリストやセールスとして渡り歩いた方で、いくつかの仕手筋とも付き合いがあり、また個人的な趣味が仕手株ウォッチwwという人物。これほどの事情通が、証券アナリストや仕手筋に関する裏事情を何の惜しげもなく披露してくれているのだから、たまらない。 「この本は最高に素晴らしい株本のひとつだから、みんな買え買え」 ●(ちょい昔の昭和のころの話)証券界には「肥った豚をシマ(兜町)から逃がすな」という格言がある。某大手証券会社では、「客を一人自殺させて、初めて一人前」と言われたとも聞く。ある意味、非人間的な面があるのが証券界という世界なのだ。 ●昭和40年の証券不況は、39年の東京五輪が終わり、企業の資金需要が引いたそのときに起きた。それまで業界トップを走ってきた山一証券は、引き受けがなくなっただけでなく、受けた株も当て込み先もなくなり、大きな損を抱えることになった。(中略) それを横目にみていたある大手証券(野村のことと思われる)は、着々と営業体制を強化した。(中略)同時にリサーチ力の強化に注力した。儲かる銘柄を自分たちで決めるのである。画期的な発想だと言えよう。(中略) 同社の営業マンは総研(野村総研)のレポートを顧客に見せて、その銘柄を売るのである。大量推奨販売が始まったのだ。この戦略は大当たりだった。経営陣に先見の明があったと言えるだろう。著者が証券業界に入った1986年頃は、大量推奨大量販売スキームはすっかり定着していた。総研が出すレポートの銘柄は、次に営業マンたちが一斉に販売する銘柄だった。つまり株価が上がるのである。 ●NTT株の例が面白い。NTT株は売り出しのときまったく人気がなくて余っていた。ところが上場した途端、NTT株は暴騰した。前述の証券会社(間違いなく野村)が買い上がったのだ。そこから提灯がついてNTT株は天高く舞い上がっていった。 ●公的資金の金が、金融機関の運用担当者と仕手筋間の人間関係のしがらみ(どんなしがらみなのかはこの本のP86を読んでね)で仕手株に回り、祭りの終わった仕手株は当然のように暴落。ファンドなどの資産価値を落とす、というケースも珍しくなかった。不良債権の多い銀行は、運用担当者が仕手銘柄を組み入れたことで運用資金が減ってしまったケース、また同様に年金基金で原資が食われてしまったようなケースもかなりあったのではないか。→ファンドも脛に傷持つ普通の人間がつくっているということ。 ●バブルが崩壊し、株価が下落したときに泣いたのは、無理やり資金を貸し付けられ、株や投信を買わされた個人投資家である。オイシイ思いをしたのは、いうまでもなく、ノルマを達成できた営業マンと、手数料を稼げた証券会社、貸付で利益を得た銀行だろう。いまさらながら株式投資の世界は、生き馬の目を抜く世界だと背筋が寒くなる。 ●伝統的な仕手戦は、ネズミ講組織があって初めて成り立つものだ。まず最初に玉(株)を持っている人がいる。(中略)最初に買っていく人。これが本尊と言われる人だ。本尊はある程度買い進んだところで、ネズミ講の上位に位置する人々に「この銘柄を買っている」と告げる。その人たちもある程度買い進むと、次のランクにいる人に「この銘柄を買っている」と伝える。出来高が増え、株価が上がるにつれて提灯がつく。仕手筋の玉が高値で提灯に売り渡された時点で、相場は終わり。これが最もオーソドックスなパターン。また、分配という手法もある。本尊が10円から15円まで吊り上げて、弟子に渡す。弟子はそこから20円まで吊り上げて、機関投資家に渡す。機関投資家は、提灯がついて30円まで上がったところで売り抜ける。(ほかにも仕手にはいろんなバリエーションがある)。 本尊も、有名なK氏から、妖しい団体から、投資顧問会社から、まったくの個人投資家までいろいろある。最近ではネットがあるので、個人(また数人〜数十人の仲間内)で仕手っぽい仕掛けをしているケースも多い。 ●仕手筋が金融機関のファンドマネージャーと組み、後者がファンドに仕手株を組み込むことを条件に前者がキックバックを払っていた、というケースもあった。 ●仕手筋ではないが、仕手筋と一緒に仕事をしてきた私(著者)に言わせると、「個人投資家は、絶対に仕手株に手を出すべきではない」のだ。 ●アナリスト(四季報作成者なども含む)は、来期予想を「エイヤッ」の勘でつくっている。→実際、いい加減なものなのだ。ただし、アナリストのレポートが出ることで相場の需給が動き株価も動くのは確かだ。 ●株式投資で勝つための法則とはなにか。それは誰よりも先に「割安だ」と判断し、株価が動く前の段階で株を仕込むことだ。そしてみんなが買い始めて株価が自分の予想した方向に動き始めたところで売り抜ける。これにはファンダメンタル的な運用をする勘が必要になる。具体的には誰よりも早く予想数値の意味する価値を見抜くこと。また、他の銘柄と比較して割安なものを見抜く力があったほうが、より大きな儲けを得ることができる。ファンダ分析はその役に立つ。まず、ファンダ分析から入り、いくつかの銘柄をピックアップしたうえで、相対的な位置がどうなのかをテクニカルで分析する。そのうえで買うかどうかが当たり前の銘柄選定法だ。
2012/3/5(月) 7『ウォール街のランダム・ウォーカー(第9版)』 出版社:日本経済新聞社 2007年5月刊 評価:★★★ 著者は元証券アナリストで、いまはプリンストン大学の教授を務めるバートン・マルキールという人物。この本の初版が出たのは今から約40年前。その後、時代の変化に合わせて9回の改訂を行いながら、現在も読み続けられているという、いわゆる株本の名著の一冊らしいです。 ただ、自分はあまり感心しなかったなー。 この人が言っているのは 「個人や機関投資家が下手にテクニカルなんかを使ってあれこれやるより、インデックスファンドをストロング・ホールドしていたほうが回収率が良い」。 (資料) 2005年までの10年間 大型株ファンド平均+7.62% インデックスファンド+9.07% 2005年までの20年間 +10.54% +11.94% あともういっこ言ってるのは、 「テクニカルはチャートの歴史を読むもので、短期的な未来を予測できるものではない。なぜなら株価は短期的にはランダムで動くものだから」ってこと。 先週までテクニカル食わず嫌いだった自分がこんなこと言うのもなんだけど、テクニカル分析は歴史学ではなく、心理学(トレーダーたちの直後数分・数時間・数日間の心理を推測することが可能)だと思う。この人の頭からは「ファンダと需給分析を組み合わせる」って観点がまるっきり抜け落ちているとしか思えない。ただしこの人の最終的な結論は、平均を上回る成長率があり、相対的にperが低い銘柄を買え、ってことなので、その点ではボクの現在の流派(笑)とも一致していました。 ●20世紀最大のバブルとその崩壊劇は、日本での株価と地価をめぐるものだろう。1955年から1990年にかけて、日本の地価は75倍に高騰した。(中略)アメリカは国土面積では日本の25倍も大きいが、90年当時の日本の地価総額は何とアメリカ全体の5倍にも評価されたのだ。このような地価の高騰を反映して、日本の株価は1955年から1990年にかけて100倍にもなったのだ。89年のピーク時には、日本の株式の平均perは60倍、pbrは5倍、配当利回りはわずか0.5%だった。このような株価、地価バブルの背景にはふたつの神話があった。ひとつは、「日本では地価が下がることはありえない」。もうひとつは「株価は常に上昇する」というものだった。 しかし、地価と株価高騰の連鎖を支えてきた銀行システムを通じた信用膨張と過剰流動性供給によって、経済のあちこちに醜いインフレの影が動き始めていることに、遅まきながら日本銀行が気づいたのである。そこで日銀は銀行の与信活動を制限し、金利上昇を誘導したのだ。それによって、今後地価の高騰に歯止めがかかり、株式市場にも望ましい調整がもたらされるだろうと期待してのことだった。ところが90年代に入り、金利は急上昇に転じ株式市場では望ましい調整ではなく凄まじい暴落が起こった。 ●相場全体および特定のセクターのバブルに気をつけて! 各指標が異常な数値を示していても買われ続けていたら、それはバブルの可能性が高いかも。破裂したら大怪我しちゃうから気をつけて! ●エンロンという会社は、いかに既成概念にとらわれない発想をするかの見本を示してくれた。残念なことに同社は「ここまでやるか」という隠蔽工作と詐欺的会計手法の新しい可能性をも指し示すモデルとなったのだ。 → 一例として。エンロンはブロックバスター社と合弁で、ネットで映画を配信する事業を起こした。この合弁事業はわずか数ヶ月後には破綻するのだが、エンロンはその前に、カナダのある銀行とひそかにパートナーシップを立ち上げ、BBとの合弁事業から上がる予定の利益を担保に1億1500万ドルを借り入れていたのだ。いうまでもなく、合弁事業からは1セントの利益も上がらなかったが、何とエンロンは借りていた1億1500万ドルをそっくり「利益」として計上したのだ。 ●本当に将来性のあるIPO銘柄を個人投資家が公開価格で手に入れられる可能性はまずない。引き受け投資銀行の大口顧客となっている大手機関投資家や、非常に裕福な個人投資家にかっさらわれてしまっている。もし取引のある証券会社から電話がきて、「いいIPO株がありますよ」と言われたら、その銘柄は負け犬だと思って良い。IPOは例え公開後に暴騰しても、必ず実力にあった価格に落ち着くので高値づかみは絶対にしてはダメ! ●大いに成長の見込みがあって、しかも市場でまだ注目されていないこと、つまり比較的perの低い銘柄を買え!
2012/3/4(日) 6『なぜ、株価は値上がるのか? 相場のプロが教える利食いと損切りの極意』 出版社:パンローリング 2006年10月刊 評価:★★★★★ 著者は日米欧の金融機関をディーラー、セールスとして渡り歩いてきた矢口新という方。 とんでもなく示唆に富む一冊だったので、最高評価の5つ星としました。 価格帯別の出来高分析に関する記述が弱かったので、以前紹介した4『フィスコ トップアナリストが教える究極のテクニカル分析』(オーエス出版)と合わせて読むことをお勧めします。 ●株式市場を動かす要因には、長期間にわたって株価に影響を与え得る「構造的な要因」と「目先だけ」の売り買いの材料とかあり、両者を区別してとらえることが大切。 ●期末には金融機関が決算に備えるために、手持ちの株式を整理する動きが出てくる。 ●アメリカは経常赤字、財政赤字といった双子の赤字に加え、個人も貯蓄率が低いなどと構造的に弱い体質があった。しかし年金資産などを使って株式を買い上げた結果、個人の資産が膨れ上がり、個人消費が伸び、企業業績が改善し、税収が伸び、一時的にせよ財政赤字が解消するという離れ業を演じた。 しかし、その期間を通じて経常収支は赤字幅を更新し続けていたし、個人も株価上昇で膨れた資産を当てにしてクレジットカード(負債)で買い物をした。株価が下落して、資産が「取らぬ狸の皮算用」だったと知った時、残っていたのが負債だった。 ●バブル崩壊後、日本株の大きな売り圧力となってきたのは、持ち合い株の解消売りだ。株式の持ち合い構造はバブル期など日本株が強いと言われたころのひとつの大きな根拠であった。 ●機関、個人問わず長期ホルダーが多い銘柄は売り圧力が弱い。 ●仕手株が最も明らかな例だが、投機家の買いで上げた部分はいずれ値下がりすると見てよい。どんな好材料でも、すでに投機筋が買いすぎていたなら材料出尽しで売られてしまうことになる。 ●トレンドラインに沿って相似の三角形をつくりながら上昇していく場合がある。(言葉だけでは説明が難しい。気になった方は本書のP90参照) ●テクニカル分析では、株価の新高値は買いのサインとなる。前の高値の手前では利食いの売りや、値ごろ感からの空売りが出たりするものだ。そこを抜いて『新高値』をつけると、損切りのための買戻しや、もう一度ポジションをつくりなおす連中が出てくる。 ●スキャンダルは売り。小さく見えたスキャンダルでも、企業の本質や体質に関わることもある。一時が万事とでもいうべき象徴的な事柄だとも言える場合がよくある。 ●金利が上がると→株価が下がる 理由:「企業の金利負担増」・「景気悪化」・「預貯金や債権の魅力が高まる」・「自国通貨高」・「輸出のコスト増」 ●円高になると、企業、個人を問わず、国内の保有資産の価値が国際比較で増加する。また国際比較での日本株の価値も増加する、つまり外国人にはとっては高くて買いづらくなるので、日本株の売りにつながる。単に円高は輸出企業に為替デメリットを与えるだけではなく、このように外人が参加しづらい相場環境をつくる。 ●原油が上がると、原油1バレルあたりのドル単価が上昇するので、ドルの実需増となり、円安方向に圧力がかかる。だが、一般にコスト高は営業収益を圧迫するので、株式市場はマイナスに働く。 ●国際通貨機関などは、少子高齢化の進展によって、2020年くらいには日本も経常赤字に転落すると予測している。スーパーパワーのアメリカでさえ、財政と経常の双子の赤字でドル安になるんだから、日本が財政赤字に加えて経常収支も赤字になったなら、強烈な円安は避けられないという見方もできる。 ●勝率を誇る人は典型的な負け組になる可能性がある人でもある。勝率を誇る人は結局、スピード利食いで勝負していくしかなくなる。ファンダとテクニカルを使いこなして、最良のタイミングで入り、最良のタイミングで売ることを目指すべし。ただし、読みがはずれた場合は、自らの考えた根拠に従って機械的に損切ること! ●ナンピン買いは相場が右肩上がりで、時折の下げが単なる調整であるときに限り効果的。 ●右肩上がりの相場(上昇トレンド)で、サポートラインに近づき、出来高を増やして反転のシグナルが出たときに買うのが良い。逆にトレンドラインを破られたら売り。株取引の真髄は、「山を越えたら売り」、「谷を越えたら買い」である。 ●高値・安値にはさまれたレンジ内ではエネルギー(出来高)を蓄えている。そして、どちらかに抜けたらついていけ。 ●材料株や仕手株に手を出すことは非常に投機的なトレード態度であり、ハイリスクハイリターンであるので、もし入るのであれば最大限の注意力をもって挑むこと。 5『リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か』 出版社:講談社 2010年4月刊 評価 内容上、短期的トレード能力の即向上につながる記述は少ないが、長期的な相場の見方についてはとても参考になる部分があった。 元リーマン・ブラザーズ日本証券社長が書いたこの本は非常に面白った。 この手の本にもトレードが上達するためのヒントがたくさんあると知ったのは大収 穫だった。 ●サブプライム関連が(相対的に)少なかったリーマンでは、当初、うちは大丈夫だという楽観論が主流を占めていた。ところが、サブプライム問題が燃え上がり、CDSやモノライン、コマーシャル・モーゲージ(商業用不動産)へと火の粉は飛んでいった。 リーマンはコマーシャル・モーゲージ関連資産の保有残高が多かったので、対岸の火事だとはいっていられなくなった。しかし、我々(著者)からするとサブプライム関連を大量に保有するメリルリンチに比べれば、まだ比較的健全に思われた。にもかかわらず市場はリーマンを標的にした。 (中略) ヘッジファンドのショートセラーは空売りでリーマンを狙い打ちし、それがリーマン株急落の悪循環を生んだ。→証券業者の時価総額が急激に減るということは、すなわち信用能力の低下を表し存続危機の問題となる。 同時期にやばかったモルガンには三菱UFJが、メリルリンチにはみずほコーポレート銀が、バークレイズには三井住友SMBCが出資を行って助けたが、リーマンを助ける会社はいなかった。 ●なぜ(リーマン破綻という)さざなみがアッという間に大津波に変わったのか。信用収縮という魔物が世界中で闊歩したからだ。 今回の危機と、1929年の大恐慌をはじめとするこれまでの金融危機や経済危機との最も大きな相違点は、過去に体験したことのないスピードで信用収縮が起こったことである。相互不信が物凄い勢いで伝播していき、市場を痛めつけたのだ。今回の危機はITバブル崩壊による経済危機などのように、経済の一分野におけるバブルがはじけて景気が冷え込んだというものとは異なる。投機的な金融商品の破綻によって、経済活動の循環器的な役割を担う金融機関が、過去に例を見ない膨大な損害を被り、それによって引き起こされた信用収縮である。そして、この激しい信用収縮が市場を襲い、それはさらなる金融システムの機能不全を引き起こした。 ●日本がサブプライム問題で直接被った被害は1兆円程度とかすり傷に等しかった。だが、米ドルへの不信感から円は1ドル@105円→87円と急激に急騰した。日本経済の機関車である輸出産業の車輪が止まっては、景気はすぐに失速してしまう。特に裾野が広い自動車産業の不振は他の産業にも大きな打撃を与えた。サブプライムの直接被害を被っていない日本の市場が、欧米よりひどい下げ幅を記録した理由の一端は、外国人投資家によって支えられている日本の株式市場の弱さにある。世界的な信用収縮で、金融機関や投資家は、投資していたヘッジファンドに資金回収をせまった。日本の株式市場では買いに向かう投資家がいない。景気の先行きが不安視されるなかでは、一層、買いが減った。 ●投資家の心理は短期では非常に過敏であり、常に行き過ぎが起こる。これは気になる女の子の前でオナラをしてしまったその時は死にたいほど恥ずしさを覚えるが、一ヵ月後には平気の精神状態に戻っているのと同じような感覚か。チャートと出来高を分析するときもこの視点は忘れずに持っておきたい。これはこの本に書いてあったことじゃないですよ(笑) ●(これから長期投資をするなら)世界人口の増加にともない需要が高まるコモディティー(商品・資源)の分野だ。 ●GSなどの米国投資銀行がスター経営者やプレイヤーに支払う数十億円の年俸について。 例えば20億円を超えた所得に対しては、80%税金をかけ、過剰な富の偏在を避けるとともに、富の再配分を行うなどである。しかし、これを実現するためには、世界の各国が協調して、同時に規制を実施しなければならない。さもないと必ず、金融関係者とともにある国の投資資金が税金の安い他国に逃げていくことになる。 ●よく日本は資源のない国だといわれるが、戦後の焦土から立ち上がり、世界有数の経済大国に成長した日本には1400兆円という膨大な個人金融資産がある。しかし、それを有効に運用していないのだ。大半が銀行預金となり、銀行はその大半を国債の購入に充てているにすぎない。この資金が適正なリターンを生む投資機会を発掘すること、そして将来性のある企業活動に資金がより効率的に流れていく仕組みを追求することが、これからの日本の金融機関の役割であるはずだ。
2012/3/3(土)
4『フィスコ トップアナリストが教える究極のテクニカル分析』(オーエス出版) 出版社:オーエス出版 ●必ずチャートの形と価格帯ごとの出来高の推移をチェックして需給の状態を考慮しつつ、売り買いの判断をすること。株価やチャートだけをにらんでいても意味がない。ファンダが良く、上昇トレンドの銘柄の場合、現在値の下に大きな出来高をこなした価格帯があれば強い支持価格帯となってくれて、まだ上に行く可能性が高い。逆に、天井でいったん大きな出来高をこなしてしまうと強い抵抗価格帯となってしまい、需給調整のため必然的にふるい落とし(下で持っていた人のリカクと上でつかんだ人の損切りが連鎖する)と、もみ合いが発生するが、この状態から再び出来高を増やして上昇し、上位抵抗線を突き破ってくるようだと、相当に強い銘柄だといえる。 ●何%下がったら損切りなどというのはまったくナンセンスな考え方。チャートと出来高の推移を凝視して、やばいと思ったら売るべきだし、意味のない押しだと考えた場合は握っておいても良い(ただし、これは上昇トレンド銘柄ならばの話)。 ●強烈に出来高を増やしての下ヒゲは買い。逆に出来高が増えての上ヒゲは売り。(需給バランスの大幅な変化が起こるため) 前者はいわゆるセリングクライマックスの状態。 ●よほど強烈な材料(上方修正・新ネタ)がない限り、需給の調整効果で窓は窓埋めに向かう。 ●上昇局面では普通出来高が増えるものだが、少ない出来高でも上昇し続ける銘柄は、潜在的な上昇力が強い(買いたい人は多いけど、売りがあまり出ない)。ただしこのようにして上がった株は、上昇途中の価格帯の出来高が少ないので、あっという間に下げる可能性もあり注意が必要。 3『スイングトレードの法則 出来高分析で仕掛け時がわかる』 ●長い時間枠の動きを味方につけなければ、短期のトレードで成功することはできない。 ●価格と出来高の関係を理解することが非常に重要。 ●メジャートレンドを見つけ、そのなかでも最強のセクターを探して乗ることが大切。 ●相場の基調(アップトレンドであり出来高が多い)が強いときは、主力が相場を引っ張っていく。出来高が減ってきたらまず注意が必要。 ●上昇局面の出来高より、押しの局面の出来高が増えたら需給の関係で下がる可能性が高い。 ●株安局面で値をたもてるセクターは強い。 ●出来高が少なく幅が小さい窓は窓埋め引力は弱い。逆に出来高が強く幅が大きな窓は窓埋め引力が強い。ただし、大きな窓ができたということは材料が強いということなので、窓埋めしたあとは上に向かう可能性が高い。(長期的には良いこと) 少ない出来高で窓埋めを試したあと、その窓の高値よりも上で引けたときが買いシグナル(窓埋め圧力が弱い)。
2『信用取引実践バイブル』 出版社:投資レーダー 評価:★★★★(再読) ●「下落相場」(移動平均線の下で推移)での買い下がり、「上昇相場」(移動平均線の上で推移)での売り上がりが莫大な損失につながる典型的な例。 ●相場が下落に入ると、さらに安く買えると考える投資家が買いを手控え、大量にある売り注文に対し買いが入らなくなる。どうしても売って楽になりたい投資家が成り行きで売るために価格がさらに下落し、それにより買い方の評価損が拡大し、事態をさらに悪化させることになる。 ●上昇局面での信用買い残の増加は問題なし。逆に信用買い残が増加したまま、移動平均線を割り込んで明らかな下落局面に入った場合は、総売り状態になり下げが加速する。 1『投資の心理学』 出版社:東洋経済新報社 評価;★★ 観念的な記述が多く、全体的には退屈な内容だった。 モメンタム戦略の章は難しすぎて理解不能。 ●投資がうまくいっているときは、自らの能力を過信し、リスク管理意識が低下しているので特に気をつける必要がある。 ●需給とチャートをにらみ、考えられるリスクに対し、リターンが大きいと想定しえたときのみトレードに入ること。 ●新規公開株ブームに関していえることは、非常に多くの新規公開株が上場後すぐに暴落して真の値になるということである。 ●投資で成功するためには、意思決定のための健全で知的な枠組みと感情がその枠組みをむしばむのを防ぐ能力である。 ●たいていのニュースは、その時点では扇情的であったとしても、本質的なファンダメンタルズの変化をともなうものではないのである。ニュースの価値は時間の経過によって明らかになるものである。(ニュース厨寄り天高値づかみ師になるな!!) ●投資家を最終的な成功に導くのは長期的な視点である。視野狭窄なデイトレボーイになるな!
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